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2010年01月16日

色の道 正しい「光」を求めて! (その1)

しばらく前から、疑問に思っていたこと。
僕の目は、ちゃんと正しい「色」を捉えているのだろうか…。

哲学的な話では、ありません。

人の目って、とても精密に出来ていて、多少、光の状態が違っても、それほど違和感は感じません。

しかし…、蛍光灯の下で物を見る場合と、太陽の光で見る場合、それぞれの色の見え方は、本当は全然違うハズです。
(写真を撮る人なら、ホワイトバランスと言えば、解りますね)


色に関わる幾つかの仕事をしている中で、色彩を正しく認識するためには、正しい光が必要なのではないか?
そんな事が気になって、いろいろと調べてみました。


先に、光の種類によって、見え方が違う。と書きましたが、代表的な例が次の話。

赤いリンゴを、太陽の下や、電球のあかりで見ると、鮮やかな赤に見えます。
でも、蛍光灯や、LEDの光で見ると、くすんだ暗い色に見えてしまいます。

車で走っている際、トンネルの中で黄色い光に照らされると、車内の全てが黄色く見えます。


確かに、光によって見え方が違うという事実…。
様々な工作をしている時、そして石材や美術品などを修理する際、この問題は無視できません。

光の具合によって、色が違うだけでなく、ある条件で特定の色の判別が付きにくい事も経験しました。


問題があるからには、きっと解決方法も見つかるハズです。
いろいろ調べて、理解できた情報を、これから少しずつまとめて行きたいと思います。

最上の「光」を求める旅に、よろしければ、ご同行を…。


→ 色の道 正しい「光」を求めて! (その1)
  簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)
  撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)
  高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
  電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)
  高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 
  高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ) 



★今日、気になったサイト
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2010年01月19日

簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)

「調色」などの作業中、暗い場所では色の判別が付きにくいため、自作の照明器具を作ろうと計画しています。

  色の道 正しい「光」を求めて! (その1)
→ 簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)
  撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)
  高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
  電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)
  高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 
  高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ) 


最初は、持ち運びが簡単な小型バッテリーと白色LEDの組み合わせを予定していたのですが、どうも一般のLEDは「演色」(色の再現性)がイマイチのようです。

正確な色を判断するために重要な、最上の「光」を求めて、いろいろ調査してみました。



どんな光が良いのか、調べて行く中で、最初に目に付いたのが「分光器」。…簡単な工作で、各種、光の特性を自分の目で確認できるようです。
面白そうなので、さっそく、その分光器を作ってみました。


用意するのは、身近にある物ばかり。
適当な箱と、CDのディスク。他にアルミホイルとテープ類。

これだけで、30分もあれば、分光器を作ることができます。


■1、CDをカット


CDは、光を当てると虹色に光ります。この性質を利用して、光を分解(分光)するパーツを作ります。
まず、CDのレーベル面に、カッターで切り込みを入れます。

次に、プラ板用のカッターで、裏面からカット。

使いやすいよう、四角に整えておきます。

※レーベル部分の薄い膜が剥がれやすいので注意。

■2、箱の加工



今回は手の平くらいの宅急便の箱を用意しました。

光が入る部分と、覗き穴の部分の2カ所を、写真のようにカッターで切り取ります。

■3、スリット部の製作



スリットの部分は、アルミホイルを使います。
出来るだけ狭い間隔(0.5mm程度)で2本の切れ目を入れ、間の切りくずを取っておきます。

最初、斜めにカッターを当て、次に垂直に切ると簡単です。

カッターに引っかかって破ける場合があるので、事前に、セロテープで補強した方がいいでしょう。


■4、組み立て


まず、アルミホイルのスリット部分を箱に貼り付けます。

このままでは、ちょっと触っただけで変形してしまうので、上から半透明なシートを貼り重ねておきます。
このシートがあると光が拡散するので、箱の向きを光源に完全に合わせなくても、分光した虹を見ることができます。(A4クリアファイルを使用)


次に、CDから切り取った四角いパーツを取り付けます。

箱の覗き窓から見ながら、キレイな虹が見える位置を探して、その位置に納まるように箱の段ボールを折って、セロテープで貼り付けます。

元のCDが円盤状なので、できるだけ外周の部分で見るようにすると、平行に近い分光が得られます。

余計な光が入ると、たくさんの虹ができてしまうので、各部の隙間を塞いで、覗く部分も小さい穴を残して塞いでしまいましょう。

これで、簡易分光器の完成。


箱を覗いてみると、光源によって全然違う虹が見えると思います。



▲太陽の虹


▲蛍光灯の虹


…このくらいの工作だと、夏休みの宿題みたいで、面白いです。

次は、この虹をカメラで撮影する器具を作ってみます。
→ 撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)

参考サイト
http://www.geocities.jp/hinaman_p/phy_cdmake.html
http://www.kagaku.info/spectrometer0605/index.htm


★今日、気になったサイト
ミサイルのように滑空する「弾丸ふくろう」の驚異的な写真にコメント殺到
中国、1日17億通以上もの携帯電話メールの検閲を開始


 



2010年01月28日

撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)

「調色」などの作業中、暗い場所では色の判別が付きにくいため、自作の照明器具を作ろうと計画しています。

その際、正確な色を判断するために重要な、最上の「光」を求めて、いろいろ調査してみました。




  色の道 正しい「光」を求めて! (その1)
  簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)
→ 撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)
  高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
  電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)
  高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 
  高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ) 


前回は、段ボール箱で作れる、簡単な分光器を作ってみました。

コレでも十分、それぞれの光の特性を見る事は出来るのですが、せっかくなら写真で比較してみたいものです。

  
▲左:前回作った段ボール製の分光器 右:ポテトチップの筒(長さ14cm)。


写真に撮る場合、何らかの方法で、カメラのレンズと分光器の位置を固定する必要があります。

部屋を見回すと、ポテトチップの筒があったので、これで作ってみましょう(笑)。



▲なかなかクラシックなイラストが描けました。


前回との違いは、光を反射させるか、透過させるか。

反射させた方が、明るいキレイな虹を見ることができます(前回作ったパターン)。
しかし、反射光が中に広がって、写真的にはイマイチ。

そこで今回は、透過タイプを作ってみました。

分光用のパーツは、前回と同じくCDのディスク。今回はレーベル面の銀色のシートを剥がして使います。

  
▲左:レーベルは簡単に剥がれてしまいます。 右:剥がれなかった部分は、テープの粘着力で剥がします。


レーベルを剥がしたCDは、使いやすい形にカットしておきます。

  
▲左:アルミホイルでスリット作り 右:ラッカーで黒くペイント。


筒は黒く塗ります。光の進入を遮るためです(かっこ悪いから、とも言う)。

内部は、できればツヤ消し黒がベスト。光の乱反射を防ぐ事ができます。

  
▲左:コンビニのコピー機で作った黒い紙。 右:放射状にハサミを入れておきます。

  
▲左:両面テープを貼ってから、奥まで押し込みます。 右:内側全てに黒い紙を貼ったところ。


今回は、内側を黒くするのに、コピー紙を使いました。(つや消し缶スプレー:600円~ コピー紙:10円)
※コピー機のフタを開けたままコピーすると、簡単に黒い紙が手に入ります。


材料を組み立てていきましょう。

  
▲左:カメラのレンズの稼働範囲を測っておきます。 右:今回は45mmの所にCDの分光板用の溝を切りました。

  
▲左:CDの分光板をはめ込んだ所 右:正面から見たところ。


こういう、作ったことの無い工作は、現物合わせが一番。適当に組み立てて行きます。

一応、簡単な仮り組みは、作る前にしておきました。


▲これが、ポテトチップの筒で作った分光器2号! の捉えた画像。


完成したら、さっそく、テスト撮影。

今度の2号機は、前回の段ボール製と違って、何枚撮影しても同じ位置に写ります。


この、同じ位置で写真が撮れるのが、重要なんです。

複数の写真をフォトショップで加工して並べてみたのが、下の画像。




このように、光の種類によって、スペクトルが全然違うのが、一目瞭然です。

そう、わざわざ2回目の工作をしたのは、コレをやりたかったからなんです。

ちなみに、暗い筒の中で撮影すると、光がかぶってしまうので(露出オーバー)、小さな窓を後から開けました。

この窓によって、カメラの感度が自動調整されるので、若干はかぶりが少なくなるようです。

次回は、こうした光のスペクトルの違いを、少し調べてみましょう。

→   高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)


注:今回の分光器は、とても簡易的な物です。正確な写真を撮影するには「回折格子」等を入手して利用してください。(前回のリンク等を参照)




 



2010年02月02日

高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)

「調色」などの作業中、暗い場所では色の判別が付きにくいため、自作の照明器具を作ろうと計画しています。

その際、正確な色を判断するために重要な、最上の「光」を求めて、いろいろ調査してみました。




  色の道 正しい「光」を求めて! (その1)
  簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)
  撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)
→ 高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
  電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)
  高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 
  高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ) 


現場で使う場合、バッテリー駆動も視野に入れると、できるだけ少ない電力で明るい光がベストです。
当初、今話題の白色LEDを使用する予定でした。

白色LEDの発光効率は年々向上し、現在では1Wあたり100ルーメンを越えるLEDが簡単に入手できます。→ オーディオQ

白色LEDの入力電圧は3~3.6V程度ですから、バッテリー駆動なら2~3個直列にして、定電流インバーター等を使えば80%以上の高い電源効率で利用する事ができます。

最近では家庭用の電球型LEDもホームセンター等で買えるようになりましたから、これをバラして使ってもいいかもしれません。


しかし、ちょっと不安なのは、懐中電灯などのLED光だと、赤色がくすんで見える点です。
調べていく中で、LEDの光では色の再現性(演色)が良くないのではないか?
という疑問が湧いてきました。

いろいろググってみると、一般に売られている疑似白色タイプのLEDだと、演色評価数(Ra)70程度のようです。


ここで、「演色評価数(Ra)」という言葉が出てきました。

演色評価数(Ra)とは、色の再現性を表す単位で、80以上あれば、普通の生活をする上で不自由無いと言われています。

ウィキペディアでは、次のような説明。
演色評価数とは、JIS(日本工業規格)で定められた基準光との比較の上で測定対象となる光源が、演色評価用の色票を照明したときに生じる色ずれを、指数として表したものである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ちなみに、こちらの説明が、もっと解りやすいです。


さて、それでは、どんな光源がいいのでしょう。
ここで、光源ごとのデータをまとめてみました。

■発光効率&発光・エネルギー変換効率&演色評価数(Ra)

光源の種類発光効率エネルギー
変換効率
演色評価数(Ra)
白熱電球16~18 lm/W10%Ra=100
蛍光灯40~110 lm/W25%普通形:Ra=60
三波長形:Ra=88
LED30~100 lm/W32%擬似白色 青黄色系:Ra=70
高演色タイプ:Ra=97

■参考サイト
発光効率 とは3.ランプのエネルギー変換メカニズム演色性演色評価数(Ra97)LED搭載の照明器具を世界初で製品化に成功!全てを包むLED照明


演色が一番いいのは、白熱電球 Ra=100です。しかし、もう少し省エネの明かりが欲しいところ。

高演色タイプのLEDは4.5Wタイプが1.3万円程度
4.5Wというと、電球換算で電球40W形相当でしょうか。現場では、電球40Wでは、かなり暗いですし、あまりに高価です。

次にいいのは、三波長形蛍光灯のRa=88。


ここで、ふと「蛍光灯 高演色」で検索してみると、ある特殊な蛍光灯が存在している事が分かりました。
それは高演色蛍光灯というもの。なんと、Ra=99です。

この種のランプは、各照明メーカーから、市販されています。
東芝ナショナル日立

これらのサイトの説明を読むと、美術館や博物館、写真のカラースライドの色評価用という、まさに色の再現性に特化した照明! しかも、価格は普通の蛍光灯とほとんど変わりません。

ようやく、探していた「正しい色」を判断するための「光」に、巡り会えたようです。



さっそく、ネットで各種の高演色蛍光灯を発注。
一般には店頭に並ばない商品ですが、今やネットで簡単に入手できます。

次は、入手したこの蛍光灯を、いろいろテストしてみましょう。

→   電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)




 



2010年02月05日

TMP 照明によって、見える世界は違う色?…。




色の道の実験で、照明によってどのように見え方が違うか、撮影のテストをしています。

かなり、驚きのその結果は!?


▲1,廊下の蛍光灯

▲2,高演色蛍光灯

▲3,3波長型蛍光灯

▲4,電球




▲1,廊下の蛍光灯。


▲2,高演色蛍光灯。


▲3,3波長型蛍光灯。


▲4,電球。

撮影モード(ホワイトバランス)は、全て太陽光。

それぞれの解説は、後日あらためて…。

 



2010年02月08日

電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道~ Ⅴ)

「調色」などの作業中、暗い場所では色の判別が付きにくいため、自作の照明器具を作ろうと計画しています。

その際、正確な色を判断するために重要な、最上の「光」を求めて、いろいろ調査してみました。




  色の道 正しい「光」を求めて! (その1)
  簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)
  撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)
  高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
→ 電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)
  高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 
  高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ) 


これまでの連載で、いろいろ探して、ようやく見つけた「正しい光」。

それは「色の評価用」としてごく少量、生産されている特殊な高演色タイプの蛍光灯…。
というのが前回までのお話し。

← これが高演色蛍光灯。

一般の電気屋さんには置いてませんが、ネットで簡単に取り寄せる事ができます。

普通の直管型蛍光灯と同じサイズが網羅されていて、値段も大きくは変わりません。


今回は、まず8Wタイプを、カメラのキタムラさんに発注しました。
これは、ライトテーブル(カラースライド・フィルムの評価機器)の交換用に用意されている品です。
自宅近くのお店に配送して貰えば(そこまで取りに行くと)沖縄までの送料は無料でした。

10Wタイプは、こちらから購入。(沖縄までの送料は、最安の500円でした)


■高演色蛍光灯を点灯させるには


通常、蛍光灯を点灯させるには、安定器やグロー球など、いくつかの器材が必要です。

それほど高い物ではありませんが、安定器が重くてかさばるため、持ち運びには不便そうです。


そこで目を付けたのが、電球型蛍光灯。

これは内部に電子回路(インバーター)が入っていて、それで蛍光灯をドライブする仕組み。
小型・軽量、ちらつきが少なく、瞬時に点灯。しかも、安定器を使うタイプより効率が高い等、良い事ずくめです。

以前はインバーターは高価だったのですが、電球型蛍光灯の普及で価格が下がり、今では300円~で買える商品の中に、普通に内蔵されちゃっています。

今回は、この電球型蛍光灯に内蔵されているインバーターを利用しようというわけ。

電球型蛍光灯と直管型蛍光灯の見た目は全然違いますが、基本的に中身は一緒。
同じ回路で点灯させられるハズです。


■インバーターの選びかた




市販の電球型蛍光灯には、いくつかの種類があります。

・8~10Wの消費電力で電球40Wと同等。
・10~12Wの消費電力で電球60Wと同等。
・20~22Wの消費電力で電球100Wと同等。

対して、直管型蛍光灯は、4W、6W、8W、10W、15W、20W、40Wの種類があります。


これって、どのような組み合わせがいいのでしょうか。

こういう未知の判断を求められた場合、暫定的に、機器の効率から経験値で判断するのが良さそうです。

電球型蛍光灯を分解すると、100Vの電圧を、一度直流に直して、それを高周波に変換する回路となっていました。

このタイプのインバーターの効率は、約90%~程度。

とすると、10Wの直管蛍光灯を点灯させるためには、電球型11~12W用のインバーターが適合。同じく、8W管なら9W用。20W管なら22W用。といったところでしょうか。

ホームセンターを探して、ちょうど良さそうな製品を購入してきました。

左:9Wで電球型40Wタイプ。 右:12Wで電球型60Wタイプ。



■実際の点灯実験


注:以下、100Vの電圧を扱う実験のため、感電の危険性があります。 十分に注意して下さい。

まず、市販の電球型蛍光灯を分解して、インバーター部分を取り出します。

パッケージは溶着されているので、鋸で切っていきます。
内部を傷つけないように、慎重に…。

継ぎ目のところが薄くて、切りやすいようです。

分解したら、蛍光灯の電極に延びている線を、適当な導線に繋ぎ換えておきます。
それほど高電圧では無いので、例えばACアダプターの配線等、普通の細めのコードで大丈夫でしょう。
蛍光灯側は、実験レベルなら銅線を端子に巻き付けて、感電防止にテープでも巻いておきます。(確実に結線するには、下記コラムを参照)

電源側は、100V用のコードを、ハンダ付けしておきます。


ショートや感電の恐れが無いか、十分に確認したら、電源ON!

1、 10W管+12Wインバーター
管の両端が光ってから、2秒くらいして全体が点灯する感じで、少し遅延がありました。安定後も、なんか暗い感じ。

2、 8W管+9Wインバーター
瞬時に点灯し、すぐに安定しました。
(写真の下側)

消費電力を計ってみると、どちらも約8W。どうやら、今回の組み合わせでは、12Wタイプのインバーターでは、10Wの蛍光灯を十分にドライブできないようです。そこで、追加で別なパターンを実験。

3、 8W管+12Wインバーター
瞬時に点灯。消費電力9Wで安定。


今回の測定は、全てワットチェッカーを使用しました。




インバーター(電球型蛍光灯)の価格はそれぞれ9W:760円 / 12W:350円 でしたから、3の組み合わせがコストパフォーマンスが良さそうです。


考察
1の結果は、管径の太さや、フィラメントの長さが影響しているのかもしれません。
電球型用の蛍光灯と10W直管型蛍光灯では、サイズが全然違いますので…。
逆に8W管は細いので、相性が良かったようです。

3の結果は、ちょっと意外な感じ(オーバードライブかと思いました)…。
これについては、20W蛍光灯用で、省エネ18Wタイプが一般的なところを見ると、(ある電圧で)蛍光灯に流れる電流は制限されているのだろう。と考えられます。


もっと色々と実験してみたいところですが、趣味の範囲なので、この辺にとどめておきます。(良ければ、他の組み合わせの報告等をコメント欄に書き込んで頂けると嬉しいです)

写真:とりあえず、耐久点灯テスト。

投稿時点で、5時間目。管の表面温度、約44度。




というわけで、今回の実験の結果、分かった事。

1,電球型蛍光灯のインバーターで、直管型蛍光灯は点灯可能。
2,相性の良さそうなのは、直管蛍光灯8Wと電球型12W(9W)用インバーターの組み合わせ。

次は、この結果を基に、作業用ランプの筐体を作ってみます。
高演色作業灯の作り方


コラム、蛍光灯の端子の結線方法




今回の作業をしていて、ふと思いついた結線方法。

100円ショップのダイソーで売っている「C-4 裸圧着端子」の穴が、直管型蛍光灯の電極にピッタリ!
そこで、同じく「C-2 裸圧着端子」にコードの銅線部をカシめて接続。

固定には、絶縁体のポリカーボネートネジを使い、間にプラ版(今回はクリア・フォルダーを切って使用)を挟んでおくと安心です。

これで、組み替え自由。脱着簡単な接続端子の完成です。

▲左:端子部分のアップ 右:今回は3mmのポリカネジを使用。圧着端子の穴が4mmだったので、プラ版でガイドを作っておきました。


※2010 05/02追記
電球型22W用のインバーターで20W直管型蛍光灯の点灯実験を試したサイトを見かけましたが、消費電力13W程度との事です。やはり相性の問題は、あるようです。

※2011 11/13追記
電球型32Wインバーターで、コンパクト蛍光灯FLP27の点灯実験をしてみました。 なかなか良い感じです。 → 電球型インバータで直管蛍光灯をドライブ FPL27編


 



2010年02月11日

高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 

調色などの作業中、正確な色を判断するために重要な「光」。
いろいろな工作を通じて、その「光」に迫っていくシリーズです。


  色の道 正しい「光」を求めて! (その1)
  簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)
  撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)
  高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
  電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)
→ 高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 
  高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ) 


前回の実験「電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道~ Ⅴ)」を基に、工作用の作業灯を作ってみました。

このブログは、いつも製作工程が長いので、今回は先に完成形を載せちゃいます。

じゃ~ん!!  今日2月11日。 僕の誕生日の工作が、こちらです。



多分みなさん、「ん?」 と思ったハズ。
見たことのない、得体の知れない物体だと思いますが、ある意味でコレ、すごいんですよ。

実は、今まで無かった、どこでも「本当の色」で、物体を見ることが出来る、工作用の作業灯! なんです。

8W高演色蛍光灯(カラースライドの色評価用)と、電球型蛍光灯のインバーター回路を組み合わせ、小型軽量・簡易防水タイプで作ってみました。

以下、製作過程です。



今回の工作の目玉は、ペットボトルの利用にあります。

蛍光灯はガラス管で作られているので、ちょっとした衝撃で破損の心配があります。
作業用のライトとして実用化するには、なんらかの保護(カバー)が必須。

蛍光灯をガードするために購入したアクリルパイプ(径21mm)と、蛍光灯の固定方法をいろいろ考えていて、ふと、目に付いたのがペットボトル!

アクリルパイプの外径と、ペットボトルの内径が、なんと、近いサイズなんです。
これを応用すれば、固定&脱着可能なカバーが作れそう。

こんな大径の中空ネジは、他にはなかなか見つからない優れ物です。
(物は言いようですね。笑)


■ライトカバー



まずは、ペットボトルを、スクリューの部分で切断。
グラインダーで削って、表面をならしておきます。

そして、アクリルパイプを差し込み、樹脂で固定。

こういう工作に、僕はFRP樹脂を使います。

サーフボード用など、高透明で耐候性の良いものがお勧め。
安くて手軽だし、充填・接着等に、毒性の強いエポキシより簡単に扱えます。(完全硬化には2~3日かかります)


反対側の封止にも、同じく樹脂を使用。こちらは硬化したら磨きだしておきます。



■アーム部分


100均のネジネジ棒を使用。
これは好きな形に曲げられる、カバー付きの太い針金です。

後日、ボールジョイント式に作り替えました。




組み合わせる口金部分は、高ナットをハンダ付けして接続。
簡単な作りですが、金属同士の固定なので、かなり強固です。
(針金自体は、少し柔らかめなので、2本束ねた方が良いかも)


■キャップ部



口金の部分は、ペットボトルのキャップを利用。
最近発売された、コカコーラゼロのキャップが、ブラックでかっこいいです(笑)。

中心にねじ穴を開け、ビスでアームに固定。
ビスの両側には、配線を通すための穴を開けておきます。


■高演色蛍光灯を収容



ここまで部品が揃ったら、組み立て開始。

配線と接続端子(前回を参照)を付けた高演色蛍光灯を、キャップ部に通していきます。
そして、アクリルパイプをねじ込んで固定。ペットボトルのキャップ部が、こんな形に生まれ変わりました。

通した配線は、針金に沿わせてテープを巻いて固定し、ゴム(EVA樹脂)カバーを通しておきましょう。


■クランプ部



これも100均で購入。2個で100円。
意外とバネが強力で、作りもしっかりしています。これなら十分使えそう。

ネジネジ棒は、ビス2本で取り付けました。


■インバーター部



インバーターの固定方法も、意外と悩んだ部分。

結局、適当なキャップの中にインバーターを収め、樹脂で封止しました。
手っ取り早く、絶縁と防水が出来ちゃいます。

キャップはポリプロピレン製だったので、後から外す事も可能です(取れた、とも言う 笑)。
再度取り付ける場合は、両面テープがいいでしょう。


あとは、クランプにインバーターをネジ止めして、配線はタイラップ等で固定しておきます。


と言うわけで、完成!

さっそく、点灯です。
工具箱等に固定して、電源ON。


いいですねー。
これで、工作や調色の際に、正確な色を見ながら作業することができます。

※もう少し明るくするため、後日、2灯タイプも作ってみる予定!


後日、高演色蛍光灯の見え方を調べてみました。
→ 高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ)