2012年06月09日
FRP用樹脂の硬化時間(実験編)

今回も、マニアックなネタ‥。
僕は、仕事や趣味の工作で、FRP樹脂をよく使います。
FRP用の不飽和ポリエステル樹脂は、安くて透明で造形が自由。
工作にいろいろ応用できる、面白い素材です。
→ 「レジン」の代用に! 不飽和ポリエステル樹脂の まとめ。
→ FRPで自作。オリジナル「半ギブス」作り。
‥他、このブログを 「 樹脂 」 で検索すると、イロイロ関連記事が出てくると思います。
さて、このFRP樹脂。
メーカーや種類によって、それぞれ硬化時間が異なります。
‥なので、作業をはじめてから、どのくらいのタイミングで硬化が始まるのか?
これを知っておく事って、なかなか重要な要素です。
硬化が早すぎると、手順が間に合わない事があるし、遅すぎると、ちょっとしたスキマから樹脂がどんどん流れだしたりします。
近々、大型の工作をする予定があるので、硬化時間の目安を調べてみました。
僕はいつも、埼玉のFRP-Zoneさんから、通販で樹脂を取り寄せています。
今回、実験した樹脂は、以下の3種類。
1,サーフボード用(ほぼ透明。紫外線吸収剤入りで、黄変無し)
2,ハードタイプMD-PH(成形一般積層用)
3,イソ系ハイグレード複合樹脂(耐熱・低収縮の、メス型用)

このブログで、毎回お勧めしている透明なサーフボード用樹脂は、沖縄の日差しの下で2年半以上経過して、ほとんど変色は見られません。
というわけで、前置きが長くなりましたが、どのくらいの時間で硬化するか、結果発表です!
2回チェックして、硬化が早い順に、以下の並びとなりました。
1,サーフボード用樹脂 → 4~5分でゲル化。
2,ハードタイプMD-PH → 6~8分でゲル化。
3,イソ系ハイグレード → 22~27分でゲル化。
チップ・サイズはそれぞれ約3グラム。
硬化剤は、約1.25%です。 (0.125g✕3滴 → 硬化剤 …その一滴の重さ)
中にゼリー状の固まりが出来て、筆塗りができなそうになるまでの時間を測っています。
※半年程度、室内保管した樹脂です。 新品の場合は、多少数値が異なると思われます。
※樹脂の厚みや容積が大きくなると、熱がこもるので硬化が早くなります。 少ない場合は、逆。


なるほど~!
銘柄によって、意外とバラつきがありますねー。
個人的には、サーフボード用の透明が扱いやすいのだけど、時に硬化が早すぎるのが欠点。
試しに、サーフボード用とイソ系ハイグレードを半々で混ぜてみると、硬化時間は8分となりました。 色や透明感も、積層用途なら、それほど気になりません。

← 写真:下段左から、サーフボード用、ハードタイプMD-PH、イソ系ハイグレード、サーフボード用とイソ系ハイグレード混合。 (右上、および最上部の写真も、同じ並び)
というわけで、僕的には、とても役に立つ実験でした。
こういうくだらないテストを積み上げていくのも、経験の一つ。
物づくりのノウハウが、また一つ手に入りました。
FRP工作をする人は、手持ちの樹脂の硬化時間、測っておくと作業が捗りますよ!
追記:ハードタイプMD-PHと、イソ系ハイグレードを、暴露試験に追加しました。 結果は、数年後です‥。
Posted by IGU at 20:49│Comments(2)
│工作、いろいろ
この記事へのコメント
突然ですみません!
1つ教えて下さい。今、軽自動車の板バネを実験で、FRP用の樹脂を使って作っていますが、なかなか思うように行かず悩んでいます。
高強度、高反発に優れた樹脂類が有れば教えて下さい。
お願いします。
1つ教えて下さい。今、軽自動車の板バネを実験で、FRP用の樹脂を使って作っていますが、なかなか思うように行かず悩んでいます。
高強度、高反発に優れた樹脂類が有れば教えて下さい。
お願いします。
Posted by マークン at 2014年12月10日 16:27
軽自動車となると、かなり高強度が必要だと思います。
カーボン含め、専門のショップ等に問い合わせて下さい。
カーボン含め、専門のショップ等に問い合わせて下さい。
Posted by IGU
at 2014年12月10日 16:33

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