2012年01月16日
高演色LED OSWR4356D1A レビュー
LEDの照明が一般化してきた昨今、演色性を高めたLEDも、気軽に買えるようになって来ました。
今回は、10個400円の高輝度白色LEDを入手し、テストしてみました。
→ 購入先:秋月電子 - 高演色性高輝度5mm白色LED OSWR4356D1A(10個入)
製造メーカー:OptoSupply Limited
このLEDは、一つのパッケージの中に、白色のチップが2個、赤色チップ一個が内蔵され、3チップが直列に接続されています。
一般的な擬似白色LED(青い光を黄色の蛍光体に当てて白く光らすタイプ)の弱点である、赤色の成分が少ない点を、赤色LEDを同梱することで解消する手法。
赤色チップが入っているものの、色温度自体は6500Kと高く、どちらかというと青白い光です。
順方向電圧(VF)は8.5V(20mA)と高めですが、そのぶん明るく、全光束は16 lm(ルーメン)。
最大の特徴は、演色性。平均演色評価数(Ra)は90です。
一般的な白色LEDの演色性が70(Ra)程度。
家庭の蛍光灯(3波長タイプ)の演色性が88(Ra)程度ですから、かなり優秀な性能。
以前作った簡易分光器で覗いてみると、割と満遍なく各色を発しています。
(ちょっと水色と黄色が弱いかな?)
▲上側:高演色蛍光灯(Ra99) 解説。下側:今回の高演色LED OSWR4356D1A。
いろいろ実験していて気になったのは、20mAの電流を流した時の電圧が、7ボルト程度だった点。
データシートでは8.5Vなので、抵抗値を計算する際は、考慮が必要です。
また、 30個買った内の2個で、内部の白色LEDの接触不良がありました。
写真のように、片側だけが光っている状態。 (電圧を上げていくと、残りも点きます。 ってか、中の蛍光体が割れてるし‥)
大事な場所に使う場合は、事前に点灯テストしておいた方が良いかもしれません。
▲左:自作の簡易電源で20mA流した時の電圧が約6.8V。 / 右:接触不良のLED。
さて、このLEDの使い道ですが、16ルーメンという明るさの数値は、照明用として、なかなか手頃な感じです。
ちなみに、一昔前の1WのLEDが30ルーメン程度。小型LEDランプによく使われている0.5WのLEDで、約26ルーメン。 (最新型の1W-LEDだと、100ルーメン以上)
つまり、このLEDが2個で、そこそこライトに使える程度の明るさが出せる事になります。
(注:レンズカットが拡散型なので、集光するには反射鏡やコリメータレンズ等が必要です)
→ 画像:左:通常LED。右:今回の高演色LEDOSWR4356。
試しに、このLEDで自動車のマップランプを作ってみました。(後日紹介予定)
通常のLEDと比較すると、明らかに、地図の見やすさが違います。
▲左:今回の高演色LEDのマップランプ。 / 右:100均のLEDランプ。
これからはLEDも、単に明るさと省電力だけでなく、光の「質」が求められる時代になるでしょう。
というわけで、自作派にお勧めのLED、OSWR4356。
僕も個人的に、いろいろな箇所の自作照明に使ってみたいと考えています。
PS:今回のLED以外にも、秋月電子では演色の良いLEDが販売されています。
例:シャープ照明用「銭形LED」
ご参考まで。
Posted by IGU at 19:05│Comments(0)
│工作、いろいろ
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