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2010年09月26日

おいらはサンデーメカニック・沖縄編

「おいらはサンデーメカニック」とは、20年くらい昔に連載されていた、某バイク誌の整備コーナーのタイトル。当時、編集者だった僕の担当していたページです。
(今はほとんど4輪ばかりの生活。モトコンポってバイクを持ってはいますが‥)

さて、夏の終わりのこの時期、車にも疲れが見え始めてきます。
ごく簡単な整備は、自分でサンメカしちゃいましょう。


今回は僕の愛車、ホンダS-MXが題材。
バッテリーと、エンジンオイルのチェック&補充、ウオッシャー液の補給をしてみました。

おいらはサンデーメカニック・沖縄編



暑いと、バッテリーの能力ダウン‥


おいらはサンデーメカニック・沖縄編乗用車のバッテリーは、エンジンルームの中にある事が多いのですが、この場所はけっこう条件が悪いんです。

夏場、ひなたに止めた車は、ボンネットで目玉焼きが作れる! なんて表現されますが、そんな時はエンジンルーム内も高温になっています。

当然、バッテリーの中もお湯状態。街中での運転中は、さらに温度が上がります。
で、一夏も過ぎると、けっこうバッテリー液が減っちゃうんです。

仕組みとしてバッテリーは、化学反応で蓄電しています。
中のバッテリー液が蒸発して適切な濃度でなくなると、当然ながら効率ダウンします。

それでも、温度が高い夏の間は(反応が盛んなので)大丈夫ですが、すこし涼しくなると性能劣化が急激に表面化。
秋口に、急にエンジンのかかりが悪くなったら、これが原因です。

対策は簡単! (早めに)バッテリーに水を補給するだけです。


バッテリー液の補充


バッテリーの中身は、希硫酸。‥硫酸を水で薄めた危険物です。

でも、扱い方が判っていれば大丈夫! 別に手に付いても、それほど痛くはありません。
(昔、高校の授業で舐めさせられた事があります‥笑)

この希硫酸のうち、硫酸は蒸発しにくく、水だけが減っていき、バッテリー液の濃度は次第に濃くなっていきます。
そのため、補充する液は、基本的には蒸留水を使います。

補充液は、ホームセンター等に行けば、100円~程度から購入できます。
濃くなった硫酸を薄めるだけなので、本来はただの水でいいわけです。

おいらはサンデーメカニック・沖縄編  おいらはサンデーメカニック・沖縄編
▲左:キャップは10円玉で開けられます。事前に、ボロ布等でキレイに拭いておきます。 / 右:チューブで液を補充。

おいらはサンデーメカニック・沖縄編  おいらはサンデーメカニック・沖縄編
左:LEDライトで照らして液量を確認。多すぎても、電極を痛める心配があります。 / 右:点検用の窓。比重計になっていて、バッテリーの状態が一目で判ります。

最近のバッテリーには、上にチェック用の窓が付いるものが多いようです。
このタイプだと、バッテリーの状況が一目で判るので、安心。

僕の車は、かなり悪い状態でした。

※注意点!
バッテリー液は、手に付いたら水で洗うかウェットティッシュで拭き取りましょう。
服についた場合は、まわりを水で濡らして、すぐに洗濯! 希硫酸が蒸発して濃硫酸になると、布地にぽっかりと穴が開いてしまいます。



エンジンオイルのチェックと補充


エンジンオイルは、車にとっての血液のようなもので、大切な要素。

エンジン内部の潤滑の他、防錆、密閉、冷却、そして金属粉や汚れを吸着して流す作用もあります。

最近のエンジンは、どれもコンパクト。エンジンオイルも少量で済むのですが、その分、適正な量が入っているかは、注意する必要があります。


僕の車は20万Kmを越えているので、かなり減りが激しいようです。

どのくらいの距離でどれだけ減るかは計測してないのですが、数ヶ月に1回、500cc程を足している感じです。全容量が4リットルですから、半年も足さないでいると、ヤバイ状態。

量は、とても簡単にチェックできます。必要なのは、オイルを拭き取るティッシュだけ。

作業は、エンジンを止めてから5~10分程度待って、各部のオイルが十分に下がってから点検します。

ボンネットを開き、エンジン周辺を見回すと、どこかにリングやレバー状に指をかけられるパーツ(レベルゲージ)があると思います。
これを引き抜くと、最初はオイルまみれなので、1回ティッシュでキレイに拭きます。

そして、一度元の位置にキッチリ差し込み、もう一回抜いて、先端をチェック。
写真のように、メモリの穴(もしくはゲージ)の間にオイルの液面があればOK。

おいらはサンデーメカニック・沖縄編  おいらはサンデーメカニック・沖縄編
▲左:エンジンオイルゲージ。 / 右:写真では解りにくいですが、この車種の場合は2点の穴の間が適正レベル。

おいらはサンデーメカニック・沖縄編少なければ、適正な量にする必要があります。
僕はオイル交換の際に、同じ銘柄のオイルを買って、ペットボトルに取ってあり、時々足す方法を取っています。

新しい車でしたら、減っている場合は点検もかねて、整備工場に出した方がいいかもしれません。


なお、オイル交換時期については諸説あり、海外では数万キロ等とも言われますが、僕はだいたい半年に1回。または5,000Km毎にしています。

ほとんどチョイ乗りですが、短距離ではエンジンの温度が上がりきらないため、意外とダメージがあったりもします。

機械は一定の条件で使うのが、一番長持ちするのですが、人間が使う以上、そうも行きません。こまめにメンテしてあげるのが、一番良いのでしょうね。


ウォッシャー液


最後に、ウォッシャー液の補充。

僕は撥水タイプを愛用。水で薄めるタイプです。
適当なペットボトルに水を汲んで、ウォッシャータンクに途中まで注いでから、撥水液を説明書の通りに混ぜ、そのまま全部流し込みます。

おいらはサンデーメカニック・沖縄編ちなみに、撥水処理をしたウィンドーの場合、ワイパーが通った後、細かい水のスジで一瞬視界が曇る場合があります。

ワイパーブレードを交換すると、改善される例もあるので、気になる人は試してみて下さい。

最後に、ガラス全面を水で洗って完成。
視界が良くなると、気分もスッキリです。



と、言うわけで、簡単な車の整備3点。

自動車の場合は、なるべく整備工場に任せた方が安心ですが、こうして簡単なメンテを試して見るのも面白いものです。


ちなみに、オートバイの場合は、さらにたくさんの点検整備が必要なため、いろいろ覚えて自分で全部メンテナンスしていました。雑誌の仕事でも、その経験は、かなり活かされましたね。

最後に、取材先で教わった、整備の呪文。(これで記事一本、書いています)

ネンオシャチェブクトウバシメ

各、「燃料(系統)、オイル、車体(輪)、チェーン、ブレーキ、クラッチ、灯火類、バッテリー、増し締め」の略。

これら重要な箇所をつぶやきながら整備をすると、見落とし無く全体的な整備ができると、メカニックの間に伝わる呪文なんです。

‥ご参考まで。





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この記事へのコメント
ネンオシチェブクトオバシメ・・・・・・

覚えておこうっと!!!








ばいや~。
Posted by 超酒酔人超酒酔人 at 2010年09月26日 22:15
「ネンオシチェブクトオバシメ」

業界人ですが初めて知りました

島言葉かと思った。。。(笑)

でも、的を得た言葉ですね!
Posted by 音猫音猫 at 2010年09月27日 00:08
◇ 超酒酔人 さん
バイク乗りは、覚えておいてソンは無い言葉ですよー。

でも、びーびー(スクーター)だと、チェーンは無いしなぁ。

やがて、スクーターの呪文ができるかも!


◇ 音猫 さん
恐縮です。 プロの方にコメント頂けるなんて!

ネンオシャチェブクトウバシメ。 検索すると、結構いっぱい出てきますよー。

忘れっぽい僕にとって、この呪文は「整備のポカ」を防ぐ事ができる、大切な言葉でした。
Posted by IGUIGU at 2010年09月27日 19:54
ほんとだ~!懐かしいなぁ~
当時、まだ知り合ってもいなかった旦那は、
このページが楽しみで某雑誌を購入してたそうです^^
Posted by めぐみ at 2011年04月10日 22:28
バイクやクルマいじりって楽しいですよね。
当時は、それを伝える記事を、お仕事で書いていました‥。

今は、モノづくりの楽しさを、趣味で書いているんです。

なんだか、書いている本人の中身は、あまり変わらないような気がします。
Posted by IGUIGU at 2011年04月14日 22:29
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