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2010年05月20日

熱源(ヒーター)としての、抵抗器の活用w

あらゆる電子回路に欠かせないパーツの一つ、抵抗器。

トランジスタなどの素子に、必要な電流を流すため、電子の流れを制限(抵抗)するパーツです。


見た目は、両端にリード線が生えた、ソーセージのような形状が一般的。
他に、小型の面実装型や、大電流用に四角柱状のセメント抵抗などもあります。

抵抗の種類いろいろ

さて、これらの抵抗で電流を制限すると、余剰な電力は熱に変わります。

と、言うことは、抵抗器はヒーターとしても使えるのではないか?


電子工作マニアの人なんかは、そんなアホな! と思うでしょうが、答えはYes!

実はコレ、透明な氷を作る実験から得たノウ・ハウ(?)のフィードバックです。
※注:おふざけのレポートなので、マジな突っ込みはナシで願います。
※熱源として使うと書いている通り、場合によっては高熱による発火の恐れ等もあります。十分な注意を!



抵抗器って何だろう?


先に、抵抗は電流を制限するパーツ、といいましたが、例えば発光ダイオード(LED)を点灯する回路を例に取ると、以下の図のような設計になります。

熱源(ヒーター)としての、抵抗器の活用w
▲この場合、約106Ωの抵抗を入れると、LEDに30mAの電流を流すことができます。

このように、計算によって簡単・精密に電流を制限できるのが、抵抗器の特徴。
電流を流すと発熱するので、熱の許容量によって、各種の規格があります。

電子パーツ屋さんに行くと、それぞれの抵抗器は、定格によってコーナーが分けられています。
よく使われるのは、1/4W(4ぶんの1ワット)、1/6(6ぶんの1ワット)、他、0.5~2W等。

数字は、その抵抗で対処できる発熱量。
1/4Wなら、約0.25Wの熱量に耐えられます。(実際には、余裕を見て1/2W以上を使います)

ちなみに、この定格を守らないと、回路が発火したりするので注意!

※耐熱性の良い材料や塗料等により、昔の抵抗に較べて同サイズで1クラス上の定格を持つ物が増えていますが、大きい方が放熱性自体は良いようです。


抵抗には、構造によって非常に多くの種類があります。
安くて一般的な炭素皮膜抵抗、精度の良い金属被膜、精密かつ雑音の少ないオーディオ用等、その種類は多種多様です。
誤差や温度係数の特性によっても区別され、価格も100本100円程度から、1本数百円までさまざま…。特にオーディオ用は高価です。
こういうマニアックな世界もあるんですねー。


さて、抵抗の消費電力は簡単に計算できます。
試してみましょう


抵抗値の計算


手元に携帯電話の充電アダプターがあります。裏を見ると、出力は5.6ボルト。
このアダプターと抵抗器を使って、0.5Wの熱を発生させたい場合…。

0.5W ÷ 5.6V = 0.089A
 つまり、5.6Vで89mAの電流を流せば、0.5Wの熱がでます。
 5.6Vで0.089Aの電流を流すためには、次の計算。

5.6V ÷ 0.089A = 62.92Ω
 計算の結果、63Ωの抵抗を直列に繋げば良いと判ります。
 同じように、必要な熱量によって、簡単に抵抗値は計算可能です。

0.1W → 311Ω (5.6V × 0.018A)
0.2W → 156Ω (5.6V × 0.036A)
0.3W → 104Ω (5.6V × 0.054A)
0.4W →  79Ω (5.6V × 0.071A)

抵抗は、電力のほぼ全てを熱に変換しますので、こんな簡単な計算で、必要な熱量を発生するヒーター(発熱体)が入手できるというわけ。

もっとも、希望する数値とピッタリ同じ物があるとは限りませんが、抵抗自体の誤差もあるので、近い数字の物を使えば、だいたい大丈夫でしょう。

以下、一般的に入手しやすい数値と、色帯の見方を書いておきます。

■一般的な抵抗値の一覧表
10Ω 12Ω 15Ω 18Ω 22Ω 27Ω 33Ω 39Ω 47Ω
56Ω 68Ω 82Ω 100Ω 120Ω 150Ω 180Ω 220Ω 270Ω
330Ω 390Ω 470Ω 560Ω 680Ω 820Ω 1KΩ 1.1KΩ 1.2KΩ
1.3KΩ 1.5KΩ 1.6KΩ 1.8KΩ 2KΩ 2.2KΩ 2.4KΩ 2.7KΩ 3KΩ
3.3KΩ 3.6KΩ 3.9KΩ 4.3KΩ 4.7KΩ 5.1KΩ 5.6KΩ 6.2KΩ 6.8KΩ
7.5KΩ 8.2KΩ 9.1KΩ 10KΩ 11KΩ 12KΩ 13KΩ 15KΩ 16KΩ
18KΩ 20KΩ 22KΩ 24KΩ 27KΩ 30KΩ 33KΩ 36KΩ 39KΩ
43KΩ 47KΩ 51KΩ 56KΩ 62KΩ 68KΩ 75KΩ 82KΩ 91KΩ
100KΩ 120KΩ 150KΩ 180KΩ 220KΩ 270KΩ 330KΩ 390KΩ 470KΩ
560KΩ 680KΩ 820KΩ 1MΩ 1.2MΩ 1.5MΩ 1.8MΩ 2.2MΩ 2.7MΩ
3.3MΩ 3.9MΩ 4.7MΩ


■抵抗に印刷された色帯の読み方
熱源(ヒーター)としての、抵抗器の活用w
第1色帯 第2色帯 第3色帯 第4色帯 第5色帯
第1数字 第2数字 第3数字 乗数 許容差
 0 (黒い礼服)  100
 1 (お茶一杯) 101  +-1%
 2 (赤いニンジン) 102  +-2%
 3 (第3者) 103
 4 (黄色い信号) 104
 5 (みどりご) 105  +-5%
 6 (青虫) 106  +-0.25%
 7 (紫式部) 107  +-0.1%
 8 (ハイヤー) 108
 9 (ホワイトクリスマス) 109

10-1  +-5%
10-2  +-10%
無色  +-20%


ヒーターの実験


前置きが長くなりましたが、実際に試してみたのが、この写真。
配線には、5.6V出力のACアダプターを直接つないであります。

実験道具一式  抵抗をICソケットに装着
▲左:材料一式。1/2W~1Wの抵抗を用意しました。 / 右:抵抗を交換できるよう、ICソケットを使用。アルミ板は放熱&反射用です。

熱源(ヒーター)としての、抵抗器の活用w  熱源(ヒーター)としての、抵抗器の活用w
▲左:0.5Wの抵抗で、表面温度は外気温+25℃程度。 / 右:氷をゆっくり凍らす実験。抵抗ヒーターの近くは最後に凍ります。


今回の氷の実験では、氷点下の環境で、ほんの少し周囲の気温を上げるために、このヒーターを使用。実験では、0.4Wがちょうどいい具合でした。

実験中に触ってみると、冷凍室の中にあって、わずかにぬくもりを感じる程度です。


さて、僕の場合はくだらない実験でしたが、実用的な使い方も考えられます。


例えば、冬。

屋外での撮影の際、カメラの凍結防止に使えたりしないでしょうか?

カメラを収めた防水ケースの中に「抵抗ヒーター」を入れ、カメラ本体や電池を保温したり、レンズカバー部分の結露防止に表面実装用の「チップ抵抗ヒーター」を貼り付けたり…。

他にも、バイクのバッテリーから電源を取って、「抵抗ヒーター」入りの靴の中敷きとか、考えると、いろいろアイデアが湧きそうですね。


どなたか、試してみませんか?


PS:沖縄にも「はんだづけカフェ」できないかなぁ…。





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この記事へのコメント
ハンダ付けカフェ

コレだけはスルー出来ませんでした

スルーするべき





ばいや~。
Posted by 超酒酔人 at 2010年05月21日 03:58
「はんだづけカフェ」、絶対、はやるんだハズ。
でも、滅茶苦茶、マニアックなカフェだろうなあ。
しかも、とっても静かだろうから、いいなあ(笑)
Posted by 横浜のtoshi at 2010年05月21日 06:26
ハンダ付け教室に似てるかわからないですが沖縄にも日曜発明教室ってのが有るそうです。
廃品を利用して発明するサークルみたいで特許事務所が主催してました。
沖縄のテレビ番組でしたがメンバーが持ち寄った基盤とかも映ってましたよ。

興味あるのですが敷居が高くないですかね。
Posted by ta-isata-isa at 2010年05月21日 20:32
◇ 超酒酔人 さん
プラモ・カフェとか、塗装カフェとか、他にもいろいろ出来たら楽しいですね。

僕は個人的に、「旋盤カフェ」が出来たら、絶対行きます。

あと「油圧プレスカフェ」とか、「溶接カフェ」とか…。

誰か、作って!!


◇ 横浜のtoshi さん
「はんだづけカフェ」のある、秋葉原のあの通りは、本当に良く通っていたんですよー。
近くの牛丼屋とか、夏はいつも売り切れのドリンク自動販売機群とか…、懐かしいです。
電子パーツは通販でも買えますが、あの雰囲気は、その場にいないと味わえないもの。

って、完全にオタクってますね(笑)。


◇ ta-isa さん
そう言えば何かのイベントで、小中学生にテレビやラジオを分解させる教室をやってましたね。あれ、たしか日曜発明教室のサポートだったような…。

とても、いい試みだと思いました。

それと、趣味の世界は、敷居とかって無いと思いますよー。
Posted by IGU at 2010年05月22日 14:19
そうですよね。
マイペースで基盤の世界に踏み込んでみます。
Posted by ta-isa at 2010年05月22日 16:37
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