色の道 青磁のランプの修理

IGU

2009年12月07日 19:20

とある高級ホテルから、ランプが持ち込まれてきた。

なんと、一基16万円の高級品。
青磁(せいじ)の焼き物がベースで、欠けやヒビが目立つ。

ホテル側は「まさか直るとは思わないけど、ダメもとで預けてみるよ」との事。


さすがに、これは難しい。
明度の高い色ほど、着色が微妙で、同じ色を作り出すのは至難。

「ダメもと」という言葉はアレだけど、さっそく取り組んでみた。

▲左:欠けて開いた穴。右:ヒビを補修した跡。

まずは物理的な損傷。
分解して内部を調べると、陶器の一部が剥離して、割れて散らばっている。まずは、これの修理から。

▲左:中は暗くて見えないので、LEDライトに紙を巻いて隙間から差し込む。右:FRPで補強。


▲左:調色した特殊樹脂を充填・磨きだし。右:割れていた真鍮製の台座を、ロー付けで補修。これはサービス。

← 完成。
さすがに青磁独特のヒビ模様までは再現できないので、近づいてよく見ると補修跡が判る。



ホテル側にはOKを貰ったけど、自分としては納得が行かない。

悔しいなぁーっ。
もっと技術を、才能を、感性を!!

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