補修のお仕事で、ちょっとした工具を作ってみたくなりました。
それは、皮の破れを直す時に使う、アイロン。
特殊なゴム系樹脂で高温で接着すると、皮を補修できるんです。
ゴムが固まる温度は、約150℃。
補修は細かい作業が多いので、家庭用アイロンでは大きすぎます。
そこで思いついたのが、ダイソーで売っている100円工具。
ホットボンド用ツールの発熱体が、確かその位の温度になったはず‥。
(昔、樹脂を焼成するオーブンを制作した時、4つくらい並列で使いました)
実際に温度を測ってみると、約160℃。 熱の損失等を考えると、ちょうど良さそうです。
以下、写真で。
注:100Vの電源で発熱体を扱う工作です。発火・感電等の恐れもありますので、十分なスキルがある人以外は行わないで下さいね。
▲左:まずは温度をチェック。 ダイソーの油温計で、約160℃。 / 右:分解して取り出したセラミック発熱体。
▲左:フリーハンドで設計図を書きます。 適当! / 右:固まる放熱用シリコーンで発熱体を接着。
このへんまでは、ちゃっちゃと簡単な試作品のつもりだったのですが‥。
▲左:回路が収まるよう、スペースを作ります。 / 右:100均の万能パテで整形。
ちなみに製作当時、実況を投稿したブログ記事なんかも書いてます。
⇒
世界最小の、あるモノを製作中! VS:3Dプリンター
▲左:ほぼ完全なシンメトリーのデザイン。 / 右:型取りしてコピー。 (ここでも、いろいろ調色や離型の実験をしています)
パテで整形していると、思いの外にキレイに仕上がりました。
これ、工作中にキズを付けたり失敗したら、もったいないかも。
‥と思ったので、シリコーンで型取りして樹脂を流し込み、いくつか複製を作って、そちらで作業を進めていきます。
▲左:100ボルトでLEDを光らす回路。 / 右:アイロン内部で、LEDと発熱体を圧着端子で結合。
だんだんのめり込んで来て、通電ランプを付ける事にしました。
100ボルトでLEDを光らせる回路を組み込ます。 本体に穴を開け、光ファイバーで外から確認できるように。
って、 もはや、試作レベルではありませんね(笑)。
すべての部品が揃ったら、シリコンで固めて、完成!
▲左:完成品。コードと比べると、その小ささが分かるかと思います。 / 右:アイロン面は、なめらかに削って、鏡面加工。
写真は、実際に皮を補修しているところ。
イメージだけで作った割には、工具としてばっちり活躍しています。
1分程度で最高温度に達し、使用可能に。 本体はかなり熱くなるので、ツマミの端の方を持ちます。
今の季節だと10分くらいは使え(持て)ました。
というわけで、趣味と実益を兼ねた、工具の制作のお話し。
えっ? バカバカしいって!?
いいんです。 僕はそういう、くだらない工作が大好きな人なんですよ!
ちなみに、
世界最小でググっても、今現在ではこれより小さいのは無さそうです。
ギネスにでも、申請してみようかな(笑)。
PS:型は取ってあるので、量産可能です。 もし、どうしても欲しい人が何人かいたら、制作しますよ!
※PL法のからみも有り、キット化での小分けを検討しています。 確認が進むまでしばらくお待ち下さい。2017.0201
同じヒーターを使って作った姉妹品。
⇒
100円ヒーターで、足用アンカ(ホットボード)を作ってみた!
⇒
お仕事用、低温コテを作ってみた。 (2015年初工作)