先日買った高演色LED。
平均演色評価数(Ra)90という、色がキレイに見える製品です。
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高演色LED OSWR4356D1A レビュー
今回は、そのLEDを使って、自動車用のマップランプを作ってみました。
電球をLEDに置き換えるには‥

僕の車(ホンダS-MX)のマップランプは、12V5W。
この5Wの電球をLEDに置き換えるとしたら、いったい何個のLEDを使えば、同じ明るさになるのでしょう?
LEDで自動車用パーツを作る時、誰もが悩む問題です。
でも‥、最近は「ルーメン(lm)」という明るさの単位で比較できるので、そのへんの推測が簡単になってきました。 (ルーメン:電球の発する光の総量、「全光束」の単位)
例えば、家庭の60Wの電球(白熱灯)の明るさが、約800ルーメン。
同じ比率で計算すると、5Wの電球だったら、約67ルーメンって事になるかな。

マップランプは、約1/4の角度でしか光を使っていないようなので、67を4で割ると、16ルーメン。 つまり、16ルーメンのLEDで、置き換え可能な気がします。 (効率等は無視して、ざっくり数値化しています)
実験してみましょう。
LEDマップランプの制作
今回使用したLEDは、OptoSupply Limited社製のOSWR4356D1A。
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高演色LED OSWR4356D1A レビュー
明るさは、一個でちょうど、16ルーメンです。
まず、実際のマップランプの端子に、どれくらいの電圧が来ているか、テスターでチェック。
僕の車では、約12.6V。 エンジンをかけると、14.2Vでした。
今回のLEDの順方向電圧(VF)が8.5V(20mA)なので、必要な抵抗値を計算すると‥。
(14.2V - 8.5V) ÷ 0.02A = 285Ω
ただ、前回も書いたように、順方向電圧(VF)の実測値が、約7Vだったので、今回は300Ωの抵抗を使うことにしました。 (引き出しに、たくさんあったから、とも言う 笑)
以下、写真で‥。
▲左:100均の2mm厚のアクリル板を切り出して、ベースを作ります。 / 右:ガラス管の金具は、厚紙で包んで、ペンチで締めると、外せます。
▲左:ベースのアクリル板に、LEDを接着。 / 右:空中配線で抵抗をはんだ付け。
完成したLEDマップランプは、ノーマルとほぼ同サイズです。
ちなみに、計算上の総消費電力は0.6W程度(LED2発。 抵抗の損失含む)。
5W が 0.6W って事は、なんと8分の1の省エネ化に成功です!
電球とLED、明るさの比較
明るさの比較には、
照度計付きのテスターを使いました。
テスターの底をシートに付け、同じ位置で明るさを計測。
まずはLED一発で、比較してみます。
すると、電球もLEDもまったく同じ、7ルクス。 最初の想定通りです。
(7、時々6くらい‥。その変わる間隔も、ほぼ一緒でした)
次に、LED 2発で実験。
今度は、11ルクスと、倍までは行きませんが、かなり明るくなりました。
ここでエンジンを掛け、再び電球と比較。
すると、LED2発は、15ルクスに上がりました。 電球は11ルクスです。
以上の結果から、今回の実験では、5Wのマップランプと置き換えるには、LEDで16ルーメン分の明るさを出せばOK。 ‥と、言えそうです。 (実際には、LEDの白い光は、電球より眩しく感じます)
高演色LEDの見え方
最後に、この高演色LEDでの見え方を写真で紹介します。
まずは、お菓子のパッケージ。
左が高演色LED、右が100均のLEDライトで照らしたものです。
通常LEDだと赤色が黒っぽく沈んで見えるのが、高演色LEDだと鮮やかな赤に見えます。 僕の手の
肌色も、全然違いますね。
注:通常の市販LEDは、演色評価数(Ra)70程度。
マップランプの本来の役割の、地図を照らしてみると、通常のLEDと明らかに違います。
黄色や赤がくっきりして、黒以外の色で印刷された文字が見やすいです。
▲左:今回の高演色LEDのマップランプ。 / 右:100均のLEDランプ。
というわけで今回は、お菓子とか、印刷物、‥隣に座っている彼女の人の顔色(笑)等、なんでもキレイにくっきり見えるマップランプ自作のお話でした。
そろそろ自動車用でも、こういう製品が一般化してもいいのにと思う、今日この頃です。
PS:後日、助手席側のマップランプも、LED2発で追加制作しておきました。
LEDをたくさん使い、もっともっと明るくする事も簡単ですが、僕は熱帯魚ではないので、水槽のように車内を明るく照らす趣味はありません(笑)。 ノーマルよりちょっと明るいくらいが、いいあんべーかなぁ。
PS2:高演色に興味が有る方は、こんな記事も参考になるかもです。
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高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ)