「おいらはサンデーメカニック」とは、20年くらい昔に連載されていた、某バイク誌の整備コーナーのタイトル。当時、
編集者だった僕の担当していたページです。
(今はほとんど4輪ばかりの生活。モトコンポってバイクを持ってはいますが‥)
さて、夏の終わりのこの時期、車にも疲れが見え始めてきます。
ごく簡単な整備は、自分でサンメカしちゃいましょう。
今回は僕の愛車、ホンダS-MXが題材。
バッテリーと、エンジンオイルのチェック&補充、ウオッシャー液の補給をしてみました。
暑いと、バッテリーの能力ダウン‥
乗用車のバッテリーは、エンジンルームの中にある事が多いのですが、この場所はけっこう条件が悪いんです。
夏場、ひなたに止めた車は、ボンネットで目玉焼きが作れる! なんて表現されますが、そんな時はエンジンルーム内も高温になっています。
当然、バッテリーの中もお湯状態。街中での運転中は、さらに温度が上がります。
で、一夏も過ぎると、けっこうバッテリー液が減っちゃうんです。
仕組みとしてバッテリーは、化学反応で蓄電しています。
中のバッテリー液が蒸発して適切な濃度でなくなると、当然ながら効率ダウンします。
それでも、温度が高い夏の間は(反応が盛んなので)大丈夫ですが、すこし涼しくなると性能劣化が急激に表面化。
秋口に、急にエンジンのかかりが悪くなったら、これが原因です。
対策は簡単! (早めに)バッテリーに水を補給するだけです。
バッテリー液の補充
バッテリーの中身は、希硫酸。‥硫酸を水で薄めた危険物です。
でも、扱い方が判っていれば大丈夫! 別に手に付いても、それほど痛くはありません。
(昔、高校の授業で舐めさせられた事があります‥笑)
この希硫酸のうち、硫酸は蒸発しにくく、水だけが減っていき、バッテリー液の濃度は次第に濃くなっていきます。
そのため、補充する液は、基本的には蒸留水を使います。
補充液は、ホームセンター等に行けば、100円~程度から購入できます。
濃くなった硫酸を薄めるだけなので、本来はただの水でいいわけです。
▲左:キャップは10円玉で開けられます。事前に、ボロ布等でキレイに拭いておきます。 / 右:チューブで液を補充。
左:LEDライトで照らして液量を確認。多すぎても、電極を痛める心配があります。 / 右:点検用の窓。比重計になっていて、バッテリーの状態が一目で判ります。
最近のバッテリーには、上にチェック用の窓が付いるものが多いようです。
このタイプだと、バッテリーの状況が一目で判るので、安心。
僕の車は、かなり悪い状態でした。
※注意点!
バッテリー液は、手に付いたら水で洗うかウェットティッシュで拭き取りましょう。
服についた場合は、まわりを水で濡らして、すぐに洗濯! 希硫酸が蒸発して濃硫酸になると、布地にぽっかりと穴が開いてしまいます。
エンジンオイルのチェックと補充
エンジンオイルは、車にとっての血液のようなもので、大切な要素。
エンジン内部の潤滑の他、防錆、密閉、冷却、そして金属粉や汚れを吸着して流す作用もあります。
最近のエンジンは、どれもコンパクト。エンジンオイルも少量で済むのですが、その分、適正な量が入っているかは、注意する必要があります。
僕の車は20万Kmを越えているので、かなり減りが激しいようです。
どのくらいの距離でどれだけ減るかは計測してないのですが、数ヶ月に1回、500cc程を足している感じです。全容量が4リットルですから、半年も足さないでいると、ヤバイ状態。
量は、とても簡単にチェックできます。必要なのは、オイルを拭き取るティッシュだけ。
作業は、エンジンを止めてから5~10分程度待って、各部のオイルが十分に下がってから点検します。
ボンネットを開き、エンジン周辺を見回すと、どこかにリングやレバー状に指をかけられるパーツ(レベルゲージ)があると思います。
これを引き抜くと、最初はオイルまみれなので、1回ティッシュでキレイに拭きます。
そして、一度元の位置にキッチリ差し込み、もう一回抜いて、先端をチェック。
写真のように、メモリの穴(もしくはゲージ)の間にオイルの液面があればOK。
▲左:エンジンオイルゲージ。 / 右:写真では解りにくいですが、この車種の場合は2点の穴の間が適正レベル。
少なければ、適正な量にする必要があります。
僕はオイル交換の際に、同じ銘柄のオイルを買って、ペットボトルに取ってあり、時々足す方法を取っています。
新しい車でしたら、減っている場合は点検もかねて、整備工場に出した方がいいかもしれません。
なお、オイル交換時期については諸説あり、海外では数万キロ等とも言われますが、僕はだいたい半年に1回。または5,000Km毎にしています。
ほとんどチョイ乗りですが、短距離ではエンジンの温度が上がりきらないため、意外とダメージがあったりもします。
機械は一定の条件で使うのが、一番長持ちするのですが、人間が使う以上、そうも行きません。こまめにメンテしてあげるのが、一番良いのでしょうね。
ウォッシャー液
最後に、ウォッシャー液の補充。
僕は撥水タイプを愛用。水で薄めるタイプです。
適当なペットボトルに水を汲んで、ウォッシャータンクに途中まで注いでから、撥水液を説明書の通りに混ぜ、そのまま全部流し込みます。
ちなみに、撥水処理をしたウィンドーの場合、ワイパーが通った後、細かい水のスジで一瞬視界が曇る場合があります。
ワイパーブレードを交換すると、改善される例もあるので、気になる人は試してみて下さい。
最後に、ガラス全面を水で洗って完成。
視界が良くなると、気分もスッキリです。
と、言うわけで、簡単な車の整備3点。
自動車の場合は、なるべく整備工場に任せた方が安心ですが、こうして簡単なメンテを試して見るのも面白いものです。
ちなみに、オートバイの場合は、さらにたくさんの点検整備が必要なため、いろいろ覚えて自分で全部メンテナンスしていました。雑誌の仕事でも、その経験は、かなり活かされましたね。
最後に、取材先で教わった、整備の呪文。(これで記事一本、書いています)
「ネンオシャチェブクトウバシメ」
各、「燃料(系統)、オイル、車体(輪)、チェーン、ブレーキ、クラッチ、灯火類、バッテリー、増し締め」の略。
これら重要な箇所をつぶやきながら整備をすると、見落とし無く全体的な整備ができると、メカニックの間に伝わる呪文なんです。
‥ご参考まで。