2010年02月25日
ボールジョイントの作り方
少し前に作った作業用高演色蛍光灯。
何度か実戦に投入してみましたが、どこでも「本当の色」を見ながら作業できるのは画期的。大変重宝しています。
ただ、一点だけ失敗だったのが、アームの部分。
弾性があるので、ビヨ~ンビヨ~ンと、振り子のように揺れてしまうのです。
工具箱に付けたまま移動する時など、あちこちにぶつかってしまいます。
そこで、好きな位置で固定できる「ボールジョイント」を自作してみました。
ネットでググっても、ボールジョイントの作り方は、あまり出ていません。
ちょっと考えてみましたが、ボールジョイントの原理は、摩擦で固定する仕組みですから、精度を上げることさえできれば、それほど難しい工作ではないでしょう。
適当な鉄球を買ってきて、作業スタート! (100均で3個100円の吸盤)
僕はパチンコはやらないのです。
120206追記: 後日、パチンコ玉で試してみましたが、相当硬い鉄が使われており、普通の鉄鋼ドリルでは歯が立ちませんでした。
玩具用の鉄球でないと、この技は無理そうです。
まずはボール側。鉄球に穴を開けます。
バイスで挟んで、ボール盤で加工。玉の表面にキズが付きますが、ここでは気にしません。
(後日、別ネタで、鉄球への穴開け方法! を公開しました。)
次に、鉄球の穴に4mmのステンレス棒を差し込み、ロー付け。
ステンレス棒は、ベンダーマシン製作の際に購入した余りです。
今度はジョイント側。
厚さ2mmの適当なステンレス板に2カ所、穴を開け、ボールが当たる側は大きめのドリルで皿状に面取りします。
これを、2組。
ステンレス板は、適当な位置でカットしておきます。
後は、仮り組みして、さっきと同じように、適当なナットにロー付け。
ここから、仕上げの摺り合わせ。
よく、バイクを新車で買った際など、500km くらいゆっくり走る、アレと同じ。機械を摺り合わせる事で、アタリを付けていく作業です。
今回は、研磨に市販の錆び取りペーストを使いました。
こういったタイプには、金属が削れる位の堅いコンパウンドが入っているからです。
ボール側をドリルのチャックで固定して、ジョイント側を手で持ってぐりぐり回して行きます。
ドリルを回せば簡単そうですが、表面のコンパウンドの膜が切れ、金属同士がこすれてキズだらけになってしまいます。(はい、ちょっとばかり失敗 笑)
また、回転方向が一定だと、アタリが偏ってしまいがち。
面倒でも、手動の方が安心でしょう。
で、30分ほど、ネットを見ながら、ぐりぐりしてたら、だんだん馴染んできました。
▲アタリの付いた内側の部分が、にぶく光って凹んでいるのが判るでしょうか。
←最初の状態。
作業前は、カクカクと、簡単に動く方向と、動きの渋い方向がありますが、だんだんと、一定になってきます。
どの方向に動かしても、同じ抵抗を感じるようになったら、完成。
ここで、新しい鉄球に交換。
鉄球は、だいたいニッケルメッキでコーティングされていて、キズがあると簡単に剥がれ、錆びてしまうからです。
今作ったジョイントに鉄球を挟んで穴を開ければ、キズはつきません。
と言うわけで完成した、改良型の蛍光灯とボールジョイント。
完全オリジナルの工作で、しかもそれが「使える品」だと、気分いいです。
今日は、この金属の輝きでも見ながら、泡盛をやるかな。
▲完成したボールジョイント部。この程度の重量なら、キッチリと固定できて、角度を変えるのも簡単です。
Posted by IGU at 23:07│Comments(0)
│加工方法
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