亜鉛メッキは、屋外の鉄部に施されている例が多く、とてもサビに強いメッキです。
トタン屋根(亜鉛メッキ)の鉄板は10年単位で持ちますし、サビが出ても塗装すれば、そこからまた10年単位で使えると言われます。
建築現場で見かける鉄骨や単管、金物類など、金属光沢の部品の多くも、亜鉛メッキ。
※正確にはドブ漬けメッキと呼ばれる手法で、溶けた亜鉛に鉄を浸けて引き上げ、表面に亜鉛を着ける手法。 電気めっきと違いますが、錆びにくい特徴は同じです。
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手持ちの写真で、亜鉛メッキの手すりが有ったので、アップしておきます。
今回は、サンポールメッキで、サビ対策に優れた、亜鉛メッキをしてみます。
バイクの部品などをサビから守ろうと思ったら、一番確実な方法かも。
1,
サンポールメッキの準備/予備実験
2,
廃液処理についての考察
3,
銅めっき編
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4,亜鉛めっき編
5,
錫(スズ)めっき編
6,ニッケルめっき編
7,サンポールメッキのまとめ
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左:分解したマンガン乾電池。 / 右:中身を取り出して掃除します。
最初に、亜鉛の金属素材を用意。
一般に売られているマンガン乾電池の内部の缶が亜鉛製なので、これを利用します。
※注:アルカリ乾電池は中の薬品が強アルカリで触れると危険です。また、ニッケル水素は、分解すると発火等の恐れが有ります。
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左:ピカールで磨いた亜鉛板。 / 右:約一ヶ月放置後の亜鉛板。
ところで個人的に、亜鉛は、磨いても光らない金属なのかな?
と、勝手に思っていました。
一般的な亜鉛メッキの製品って、なんか輝きが鈍く、灰色のイメージですし‥。
そこで研磨剤のピカールで磨いてみると。 なんと、ピカピカに輝きました!!
そっかー! 亜鉛も磨けば光るんだぁ!
※その後、室内で一ヶ月ほど放置したら、表面に白い粉のような曇りがでました。
さて、前回の
銅メッキ編で、サンポールでめっき作業が可能という事は解ったので、今度は流す電流を変えるとどうなるか? という実験を試します
結果を、動画にしてみました。
電圧を12ボルト程度にすると、1.5アンペア流れました。
逆に、60mAに制限しようとすると、1.2ボルトでも流れ過ぎて、適当な抵抗を3本繋いで設定してたりします。
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写真:抵抗を繋いで電流制限。
なるべく同条件にするため、電流×時間の和が、同じになるように調整しておきました。
1,1.5A 30分
2,300~350mA 1.5H
3,60mA 7H
実験の結果。
表面の状態には、明らかな差異が出ました。
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左から、60mA、300~350mA、1.5Aでメッキした素材。 表面の荒れ方が違います。
サンポールメッキの場合、メッキされる金属から、盛んに泡が発生します。
その泡が水面に向かって登って行く際、めっき液を押しのけるせいで、金属表面に縦方向のスジが付くようです。
大電流を流すと、それは顕著(けんちょ)です。
逆に、少ない電流で長時間めっきした場合は、縦のスジはほとんど見られませんでした。
今回の金属板のサイズは、4cm × 5cm 。
このサイズだと、亜鉛の場合は150mA程度の電流が、ちょうど良さそうでした。
参考にされる方は、上の動画を見ながら、電流の量を調整してみて下さいね。