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2022年10月09日

ミョウバンをアルコールに溶かす実験!

無水アルコールとミョウバン

ミョウバンはアルコールに溶けるのか?

消臭や消毒などミョウバンを活用しようと思ったとき、アルコールに溶けるかは、気になるテーマだと思います。
そんな疑問と好奇心から実験してみたのが今回のレポートです。

アルコールは水より軽く、65%アルコールで水の9割くらいの重さです。水100cc=100g ですが 65%アルコール100cc=約90g となります。 本レポートは重量比で書いてます。


実験その1、無水エタノールにミョウバンを溶かしてみる


無水エタノール溶け残ったミョウバン

薬局で買ってきた無水エタノール。

開けて嗅ぐと、ウイスキーや焼酎に比べアルコール臭はそれほど強くありません。

まずはこの無水アルコール100gをペットボトルに入れ、そこに1gのミョウバンを入れてみます。

毎日撹拌しながら一週間後、コーヒーフィルターで濾して、それを乾かす事で溶け残ったミョウバンの重さを調べてみました。

ミョウバンを濾したフィルターの乾燥重量が(風袋を引いて)約0.7g。とすると0.3gのミョウバンが溶けた計算になります。


つまり 無水アルコール1000g:ミョウバン3g
※注:メーカー資料にはミョウバンはアルコールに不溶とあります。


実験その2、消毒用アルコールにミョウバンを溶かしてみる


消毒用アルコール消毒用アルコールにミョウバンを溶かす
次は、消毒用アルコールにミョウバンを溶かしてみましょう。
今回用意したのは65%の消毒用アルコールです。

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こちらは500ccのペットボトルを使用。3gのミョウバンを入れて10日ほど放置してみました。
実験1と同じようにコーヒーフィルターで濾して乾かし、重量を測ると2.1g。
500cc(450g)の消毒用アルコールに0.9g溶けました。

つまり 65%消毒用アルコール1000g:ミョウバン2g


実験その3、ミョウバンの水への溶け方とメーカーによる違い


ミョウバンをアルコールに溶かす実験!ミョウバンは水には溶けやすいと聞いたことが有ります。

そこで初心に帰り、普通の水道水にミョウバンを溶かす実験です。
いったい水には、どのくらいの量が溶けるのでしょう?

最初は500ccペットボトルにミョウバンを追加して行きましたが、いくらでも溶けそうです。

そこで水の量を減らして、どれくらいが溶ける限界かを試してみました。

いくつかの実験の結果、20gの水に3gまでは溶かせるようです。

つまり 水1000g:ミョウバン150g


ミョウバン各種しかしキッチンにあった別メーカーのミョウバンは、同じ量ではなかなか溶けず、一度溶けてからもペットボトルの壁面に再結晶化したり、玉状に析出したりしました。
メーカーによって溶け方は違うようです。写真の左のミョウバンが、今回のような実験には溶けやすくてお勧めです。


※調べたらアンモニウムミョウバンとカリミョウバンの違いで、前者の方が水に溶けやすいようです。性質は類似とのこと。
資料→ 2110みょうばんパンフ1112

※今回の実験は全て左側の「つけもと株式会社」の粒状の焼きアンモニウムミョウバンを使ってます。


実験その4,ミョウバンを水に溶かしてからアルコールと混ぜてみる


水と比べるとアルコール溶液にはミョウバンが溶けにくいようです。
溶かすのに数日の長い時間がかかるし、溶ける容量も少なめ。

ならば、先に溶けやすい水にミョウバンを投入してから、アルコールと混ぜればどうでしょうか?

例えば
A、1.5gのミョウバンを溶かした水10g
B、無水エタノール20g
C、420gの消毒用アルコール65°

以上を足すと、3gのミョウバンを溶かした消毒用アルコール500ccを短時間で作れるのでは?

ミョウバンをアルコールに溶かす実験!試してみます。

先にを作ります。1.5gのミョウバンと水10gをペットボトルに入れて溶けるまで待ちます。

これにの無水エタノールを入れた瞬間、ミョウバンが析出して、白い粉に戻ってしまいました。
やはりアルコール溶液にミョウバンは溶けにくい事を再確認。

ならば、A、C、Bの順ならどうでしょう?

濃いミョウバン水に消毒用アルコール65%をどばっと入れてみます。濁るかなと思ったけど、入れ終わっても透明なままです。そこに無水エタノールを投入。大丈夫‥変化なし。

結果は透明なまま、ミョウバンの溶けた65%消毒用アルコールを作ることに成功です!
実験その2と近い内容ですが、より短時間でより多くのミョウバンを溶かせてます。

なお、5日ほど放置したら析出して結晶が出てきました。(室温26℃)

 これは 65%消毒用アルコール1000:ミョウバン2.5 程度と見るのが無難でしょうか。


おまけ 実験その5、65%アルコール+同量の水 にミョウバンを溶かしてみる



水で半々に割ったアルコール溶液で、度数は30°ちょっとになります。

ペットボトルに50gの水、50gの消毒用65%アルコール、ミョウバン1gを混ぜて放置。3日後にミョウバンが完全に溶けました。

つまり 32~33%アルコール1000g:ミョウバン10g


どの程度のミョウバン濃度が良いのか?


さて、ネットでミョウバン水を検索すると、様々なサイトが出てきて、それぞれがお勧めするミョウバン水の「作り方」は様々ですが、だいたいの共通点が有ります。(検索上位はほとんどキュレーションサイトですが‥)

健栄製薬様のサイトその中でも、健栄製薬さんが公開しているページが、おそらく全ての元になっているようです。

https://www.kenei-pharm.com/general/learn/life-style/3948/ 


だいたいのサイトで、濃いめの「ミョウバン原液」を作って、使う際は薄めるという使い方です。
健栄製薬さんのレシピには、1.5Lの水に50gの焼ミョウバンを溶かした原液。
その原液を10倍に薄めて使用する。 とあります。

上記の例でいくと、使用する際のミョウバン水の濃度は1000:3.3となります。

おそらく薄めた後の実用ミョウバン水は、常温で放置すると水が腐るので、その対策でしょう。



対して、今回の実験で作ったミョウバン・消毒用アルコール水は、腐る心配が低いので「原液」を準備する必要は無く、実際に使用する際の濃度で少量を作ることができて保存が効きます。

ていうか、梅酒や薬草酒、果実酒のように35°(果実の水分で薄まるので実質30°程度?)のアルコールに漬けておけば、腐りやすい果物や草木でも長期保存が可能です。今回のミョウバン・アルコール水は60°以上のとても高いアルコール濃度なので、作ったボトルのままなら数ヶ月以上は常温保存できると考えられます。

※注 Twitterから失敗例 → 消毒用アルコールが酸っぱい臭いするなと思って‥


というわけで次回は、ミョウバン・アルコールを使った自作の制汗剤についてです。

→ ミョウバン・アルコール制汗剤の作り方

ミョウバンをアルコールに溶かす実験!





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