激安エアコンを自分で取り付けする方法!!  (真空引き、DIY)

IGU

2013年01月25日 17:48

過去、何度かの引越しの際、自分でエアコンを外したり、新しいアパートに取り付けた事が有ります。

個人でエアコンを付け外しする人は、さすがに少ないと思いますが、手順を踏めば、さほど難しい作業では有りません。

今回は、プロとほぼ同じ方法でエアコンを取り付け出来たので、そのレポート(マニュアル)です。


ネットで激安エアコンをゲット!


今回は、10畳タイプのエアコンを予定していました。

沖縄県内のホームセンターや家電ショップを巡ってみると、6畳用なら4万程度から有りますが、その上のクラスは急に価格が高くなります。
10畳タイプのエアコンは8万円~。 さらに取付け費用も2万程度必要‥。

って、かなり覚悟のいる買い物です。


が、しかし!

10畳タイプ(暖房鉄筋洋室目安)は、ネットなら4万程度で見つかります。
 ⇒ 価格COM

(ちなみに、6畳用なら26,000円から‥)

商品が大きいため、沖縄までの送料はそこそこ掛かりますが、探せばあるものです。 送料無料の神ショップ!


今回は、PCあきんどさんに、ネットから発注しました。
事前に電話で確認しましたが、沖縄(本島中部)まで、送料無料とのこと。

購入したのは、しろくまくん10畳用(RAS-AJ28B-W-SET) 
価格:44,800円でした。 (以上、2012年12月時点の情報)


配達は、事前に電話で在宅時間を確認してから、佐川のお兄さんがアパート4階まで担いで来てくれました。 (ありがとー!!)


エアコン用真空ポンプを、ネットでレンタル


エアコン内部には、フロンガスが充填されており、そこに空気や水分が入り込むと故障の原因となります。
そのため、エアコン取り付けの際は、パイプや室内機の中の空気を完全に抜き取る必要が有ります。

この作業をエアパージと言うのですが、いくつか方法が有ります。
カンタンなのは、配管を全て繋いだ後、エアコンからのフロンガスをパイプに通して、内部の空気を押し出してしまう方法。
じゃっかんフロンガスは漏れますが、数回はエアコンの付け替え(引越し)も可能です。

過去、僕は全てこの方法でやってましたが、フロン規制の浸透も有り、最近では、あまりに非常識な技かな‥ という気がします。


そこで、エアコン専用の真空ポンプを探したのですが、ネットで検索しても、知ってる建設機器レンタルショップを廻っても、沖縄では見つかりません。

諦めかけた時、ふとヤフオクを覗いてみると‥

なんと、そこにはたくさんの真空ポンプが!!

しかも、真空引きの説明書や、トルクレンチまでセットになった、まさに
自分でエアコンを取り付ける
ことに特化した工具類が、800円~からの激安価格で大量出品されていたのです。
 ⇒ヤフオクで「レンタル エアコン 真空ポンプ」を検索

その中から、一番説明書の充実してそうな出品者を選び、1,000円で落札。
専用トルクレンチ付き、1週間レンタルOKの品です。

⇒ 写真:レンタルの真空ポンプ一式。 トルクレンチや、ガス漏れチェック専用の石鹸水、詳細なエアパージの説明書、機器のマニュアル、返信用の宛名用紙等が入ってました。

沖縄までの送料は片道1200円。 (翌々日に到着/返却時は1,300円)

つまり、計3,500円で、ちゃんとしたプロの手法で真空引きできる環境が整ったのです。


エアコン配管キット


ネットで買ったエアコンは、室内機と室外機、リモコンのセットで、配管は含まれてません。

でも大丈夫。
どこのホームセンターでも「エアコン配管キット」という専用の機材が手に入ります。

ちなみに、配管キットは、3メートル、4メートル、5メートルなど、キリが良いサイズで売られています。
その中から、自分に都合良いサイズを選ぶのですが、これは事前にメジャーやヒモ等を使って実測しておく必要が有ります。

今回は、メイクマン(沖縄のホームセンター)で4メートルの配管キットを購入。 4,000円でした。


その他、エアコン取り付けに必要なもの


上記で大まかな素材は集まりましたが、他にも必要な物が有ります。

ざっと挙げてみると‥。
 ・電動ドリル(コンクリートの場合は振動ドリル)
 ・スパナ (14mmと17mm またはモンキーレンチ)
以上は必須。

今回は他に‥。
 ・ブロック2個
 ・コンクリート・ドリルの刃先(今回は3.4mmと3.8mmを使用)
 ・コンクリート・ビス(ブロック取り付け用)
 ・ビニールパイプ(ドレン延長用)
 ・灯油ポンプ(逆流防止弁用)
を用意しておきました。


エアコン室内機の取り付け


まずは取り付ける場所を決め、金具をビス止めします。

今回はコンクリートの壁だったので、振動ドリルで穴を開け、室内機の裏側に付いていた金具をコンクリートビスで壁に固定しました。 エアコン室内機は、この金具に上端部を引っ掛ける形で取り付けます。
⇒ 最近の電動ドリルが激安な件!


▲左:コンクリートに穴を開け、ビスで固定。 / 中:金具の取付状態。 / 右:先に配管をレイアウト。

そして、室内機に、銅の配管2本/VVFケーブル/ドレンホースの3種を組み付けます。

今回僕は、配管を先にレイアウトしてから、ドレンとVVFケーブルを室内機に取り付ける手順を取りました。

プロのように先に室内機と配管を繋いだ場合、一人だと配管を壁の穴に通す間、重い室内機を担いでの作業になるのがツラすぎるからです(2人だとカンタン)。

そして、後から配管に保護テープを巻いて行きました。

銅の配管の継ぎ目は、まだ仮止めの状態です。



室外機の設置


室外機は、そこそこ重量は有るのですが、片側が重く、反対側が軽い構造をしています。 沖縄は台風の心配が有るので、重しとして、下にブロックを咬ませる事にしました。


▲左:ブロックにビスで固定。 / 中:配管を室外機に取り付け。 / 右:ドレンホースが短かったので、ビニールホースで延長。

振動ドリルで穴を開け、ブロックをコンクリートビスで取り付けます。

そして、室内機からの配管を、室外機側コネクターに仮止め。
電源ケーブルを繋いでいきます。

⇒ 写真:VVFケーブルの両端を1.8センチ剥いておきます。 灰色の被覆は、写真よりもっと(10センチくらい)剥がした方が良いです。

だいたい配置が決まったら、配管にテープを巻いていきます。

だんだん、形になって来ました!


トルクレンチで配管を接続


ここから、作業は佳境に入ります。

配管や繋ぎ目は(比較的柔らかい金属の)銅や真鍮製で、あまり強く締め付けると破れてしまうし、緩いとガスが漏れてしまいます。
そのため、適正な力で接続ナットを扱う必要が有ります。

これまで、カンで失敗した経験は無いのですが、トルクレンチという工具が有れば、誰でも確実に適正トルクで締められます。

今回のレンチは、配管専用っぽく、エアコンの説明書どおりのトルクで締められる物でした。 (自分でトルクを調整するタイプも有ります)



まずは室内機。

エアコン側から伸びてるパイプにスパナを掛け、配管側のナットをトルクレンチで締めていきます。
自分の腕で回す力が、トルクレンチのバネに打ち勝ったら、カチッと音がして(クニって感覚)それが適正トルク。 分かりやすいです。

室外機側はスパナは使わず、直接トルクレンチでカチッとするまでナットを締めればOK!
なお、トルクレンチは回す方向が決まっているので、そこだけは要注意です。


真空ポンプでエアパージ


僕も真空ポンプを扱うのは初めての経験。

事前にシッカリ、説明書を読み返します。
手順を間違えると、一瞬でポンプやエアコン本体を壊してしまう恐れも有るので、緊張します。

真空ポンプやゲージ、ホースを組み立てたら、室外機のサービスポートに繋ぎます。

この時、4つ有るバルブの、どれとどれを開け、どのバルブを閉めておくか、順番や決まりが有ります。

繋げた後も、いくつかのバルブの開閉操作をして、真空ポンプのスイッチをオン。

甲高い音でポンプが回り始め、機械から白い煙が上がって来ます(煙は、心配無いようだけど、ちょっとドキドキ!)

そのまま15分間、ポンプを回し、バルブ操作をしてからスイッチを切ります。

ふう‥。 無事に手順をこなせました。


真空&ガス漏れの確認


エアパージが終わったら、配管がちゃんと密閉できているか、確認して行きます。

最初のチェックは、真空度を保てるかどうか。

まだ真空ポンプのゲージはエアコンの配管と繋がった状態なので、もし空気が侵入してるとゲージが下がって行きます。

今回は、5分待ってみて、問題なし。
ここで、再びバルブ操作をしてから、真空ポンプを取り外します。

⇐ 針が左に振り切った状態が、真空。


2番めのチェックは、実際にフロンガスを通してみて、ガスが漏れないかの確認。

フロンガスは、最初は室外機の中に全量が入っています。
5秒ほど、真空になったパイプ内にガスを注入し、いったんストップ。

その状態で、接続部分にガス漏れチェック専用の石鹸水を塗って、アワが出ないか確認します。
これも、大丈夫!

念のため、個人的に3回めのチェックもしておきました(マニュアルには有りません)

室外機から、全てのガスを循環させた状態で、再び石鹸水チェック。
ここでもアワは無し。

⇐ 室内機も、配管の接続部分に石鹸水を塗って、泡が出ないかチェック。

完全にシッカリ、組み立てられたようです。 やったね!


完成! 仕上げ作業


配線やドレンホースをもう一度確認して、コンセントを電源に繋ぎ、リモコンをオン!

暑い日だったので、エアコンを冷房にすると、爽やかな風が吹いてきます。

汗が引いて寒くなったら、今度は暖房。
うわ! 熱風だ。 さすが10畳用のパワーです。





仕上げに、配管のテープを巻き直して電源コードを隠したり、ホースを壁に固定し、見てくれを整えます。

最後にドレンホースの先に灯油ポンプの弁を取り付け。

これは逆流防止弁の代用品。
台風や強風の際、エアコンがポコポコ鳴るのを防ぐための仕掛けです。
 ⇒ 100円で解決! 台風ポコポコ ⇒ エアコン逆流防止弁


というわけで、普通に買うと10万円程度の10畳用エアコンが、ほぼ半額で取り付けられました。

作業にかかった時間は、約半日。
たぶん、初めての人だと丸一日はかかるかと思いますし、失敗して壊したら目も当てられませんが‥。
それでも、ちゃんと手順を踏めば、自分でエアコン取り付け可能かもっていうお話し。


なお、エアコンだけネットで買って、県内の業者に取り付けてもらうのもアリです。
料金が15,000円程度だったら、手間を考えれば任せちゃったほうが楽かと思います。
 ⇒ 沖縄の業者の例 (新規だと15,600~との事。 内容は、要確認)

ただし、必ず「ポンプで真空引き」してくれる業者であるか確認しましょう。
地球環境を大切に!


◆今回の経費
 エアコン本体(室内機/室外機)44,800円 配管キット(4メートル)4,000円 真空ポンプ(送料込み)3,500円 ブロック(2個)168円 コンクリートドリル(2本、ダイソー)210円 コンクリートビス200円 ビニールパイプ(2メートル)210円 灯油ポンプ110円  計53,198円

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