作る人 （つくるんちゅ）日記

沖縄本島、中部にある琉球大学。
沖縄の東大とも称される、人気の大学です。

その琉大キャンパスの、とある小径にソメイヨシノが植樹されてから、長い年月が経ちました。

でもこの桜の木は、沖縄では未だ花を咲かせた事はありません。
ずっと眠り続ける、その理由は…。



このブログのエントリーは、2010年1月26日。
ただ今、沖縄本島は桜の季節が始まった所です。　→ 南の島の桜まつり


▲八重岳（本部町）の桜。

沖縄の桜は、本土のソメイヨシノではなく、寒緋桜（カンヒザクラ）という種類。かなり濃いピンク色で、本土の人から見ると、梅の木やっさー！　という感じです。

咲き方もバラバラで、本土のように一斉に咲いて、ハラハラと桜吹雪が舞う。という現象も、見られません。
▲桜とシダ類が並んでいるのが、沖縄風（笑）。

と、この辺の情報はネットに溢れているので、省略…。


今回は沖縄のソメイヨシノの話。

昔、用事で琉球大学に行った際、一緒にいた農学部の卒業生が、歩きながら語ってくれました。
そこは、小さな小径で、寒緋桜が左右に並んでいて、その一角にソメイヨシノも植えられていました。


ソメイヨシノは、ある程度の寒さにさらされた後、立春からの積算温度の合計が一定の値に達すると開花すると言われています。

その、「ある程度の寒さ」が沖縄には無いために、開花のスイッチが入らず、花の後で出てくるはずの葉も育たない。枯れ木のような休眠状態のまま、ずっと立っているんだ…。

彼の話は続きます。

でも、見た目は枯れ木のようではあるけど、幹を傷つけると、中は生きているみたい。
きっと目を覚ますことなく、この先も、ずっと眠り続けて生きるんだろうね。
沖縄に寒い冬が来るまで…。

なんとも、悲しいお話しです。


今日、琉大の近くを通りかかったので、ふとその桜の木の事を思い出して、会いに行ってみました。

僕の記憶とすこし違う場所でしたが、幹の太さ15センチくらいの枯れた桜の木があったので、もしかすると彼かも知れません（あるいは、すでに伐採されてしまったかも…）。

ところで、本土の人の春に対するあこがれは、とても深いものがあります。
長くて寒い冬の終わりを告げる桜の花は、心躍る春の、始まりの象徴。

桜には迷惑だけど、沖縄に持ってきた人の気持ちが判るような気もします。


ちなみに沖縄の場合、寒緋桜が咲いてから、本格的に寒い日が来たりするので、元ナイチャーの僕としては、なんだかなーという感じです（笑）。


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