2017年12月23日
UVレジンの型枠をシリコン・コーキング剤で自作する方法!(簡単・激安)
◆以下の内容は、別の記事
⇒ 光るLEDどんぐりで、クリスマスリースを作ってみた!
を書いてて思い付いた小ネタです。 安いシリコンコーキング剤でUV樹脂の型枠を作っちゃいます。
最近はDAISOやセリアなどで「UV樹脂」という便利な素材が入手できます。
各色に着色された透明な液体状で、型枠などに入れて紫外線を照射すると「硬化」して、オリジナルのアクセサリーなどを作れます。
型枠も紫外線を通す半透明な物が売られています。
しかし、市販の型枠以外の形状を作ろうとすると、「オリジナルの型枠」を自分で用意する必要が有ります。
UV樹脂の場合は、紫外線を通す透明な型枠が必要で、自作は工夫が必要です。
前の記事のように、DAISOで入手可能な「おゆまる」の透明を使うと、いろいろな形の型枠が作れます。
⇒ DAISOのグルーガンでおゆまるを使う方法!
しかし「おゆまる」を使った型枠には、1つだけ問題が有りました。
というのも、UV樹脂は紫外線で硬化する際に熱を発します。手で触って熱いくらいで、「おゆまる」の型枠だと柔らかくなって形状が変化してしまうのです。
(数回なら使えるかな)
ネットの専門店などで注型用の透明なシリコン樹脂も売ってますが、量が多くて高価だし、扱いも面倒。固まるまでも長時間かかります。
そこで、ホームセンターで簡単に入手できる「シリコンコーキング剤」のクリヤー(透明)で型枠を作ってみました。これ、300gほど入ってて、300円程度で買えます。
開けたら基本的に使い切りの製品ですが、以下の方法で残りを数ヶ月程度は保存可能です。
⇒ シリコンコーキングの保存方法 そのⅢ
以下、コーキング剤を使ったUV樹脂の型枠の作り方です。
一般に売られている市販のシリコンコーキング剤は、空気中の水分と反応して硬化します。
そのため、空気に触れていない箇所は硬化が遅くなります。
表面が固まるのに4時間程度。そこから、だんだんと内側へ硬化が進んでいきます。
なので、今回は型枠を作るための型枠に、紙の筒を使いました。
▲左:紙の筒にシリコンを注入。 / 右:型枠を作るためのシリコンに原型を投入。
最初に紙の表面に離型剤(ワックスや撥水スプレーでも可)を塗って乾かし、丸めて紙テープで止めたら、コーキング材を内部に注入。 その後、離型処理したドングリの原型をゆっくりと回しながら沈めて行きます。
だいたい12時間程度でシリコンの大部分が硬化。 今回うっかり下側にプラ版を使ってしまったので底が固まらず、途中で剥がして別なボール紙の上で硬化させてます。
24時間後、シリコン型枠が固まったので、さっそくUV樹脂を流し込んで紫外線を照射。
が、内部は固まったものの、型枠と接するどんぐり表面がベタベタヌルヌルして硬化不良になってしまいました。
やっぱり‥。
実は僕が工作でよく使うFRP樹脂も、シリコン相手だと同じように硬化不良を起こしてたんです。
⇒ 「レジン」の代用に! 不飽和ポリエステル樹脂の まとめ。
どうやらシリコン表面から揮発成分が出ている模様‥。
もしくは軟化剤のせいか、いくら紫外線を当てても、UV樹脂の表面が硬化しないのです。
樹脂をシンナーに浸けてヌルヌルを拭き取れば使えますが、これでは型枠の精密さを写し取る事はできません。 困った‥。
悩みましたが、ふとオーブンで焼いてみることにしました。
もし揮発成分が硬化不良の原因なら、焼けば飛ばせるんじゃ?。
というのも、シリコンの耐熱性は200℃程度はあって、かなり熱に強い素材なんです。
(2stバイク・レーサーのエンジンや排気管の取り付け部分に液状シリコンのガスケットを使うことが有ります。)
今回はキッチンのオーブンレンジを使用。180℃で10分ほど焼いてみました。
ちな、よく焼けるように、回転部分を持ち上げて熱源に近づけています。
⇒ 100円で、オーブンの火力を大幅アップ ↑
※注! 室内で薬品を揮発させたりシンナーを使う場合、小鳥やペットは必ず避難させましょう!
焼いた後でシリコンの型枠は、すこし黄ばみましたが、柔らかさとかは特に問題ありません。
さっそく、UV樹脂を流し込んで、紫外線で硬化。
ちゃんと表面がカサカサのまま硬化できる事が判りました!
▲左:オリジナルのシリコン型枠と、UV樹脂。 / 右:焼いても柔らかさを保ったシリコン。ひねると簡単に離型可能。
‥ちな、何個かまだ表面がベタつく物が有りました。
これは焼きが不十分なのか、寝かす時間が足りないのか肉厚の問題か、よく判りません。 どうもシリコンが固まって時間が経ってから焼いた方が成功しやすく感じられました。 ( どなたか追試をお願いします )
結論!
数個のレベルで型枠を作るのでしたら「 おゆまる 」が簡単でベストです。
⇒ DAISOのグルーガンでおゆまるを使う方法!
しかし大量生産で時間が十分にある場合、安いシリコンコーキング剤を使うのも有りかも。
なんせシリコンコーキング剤は簡単に入手できて安いですからね。
もったいながらず大量に使えて、いろいろ実験できるって、工作向きの素材だと思います。
以上、ご参考まで。
というわけで成功したオリジナルのシリコン型枠作り。
完成したLEDどんぐりが、こちら。
⇒ 光るLEDどんぐりで、クリスマスリースを作ってみた!
本文にも書きましたが、初めて何かを作ると、いろいろ考えて悩んで思い付いて‥、オリジナルのノウハウが生まれていきます。
これって、すごく面白いし、工作をしていく上で大切な事だと思います。
⇒ 光るLEDどんぐりで、クリスマスリースを作ってみた!
を書いてて思い付いた小ネタです。 安いシリコンコーキング剤でUV樹脂の型枠を作っちゃいます。
最近はDAISOやセリアなどで「UV樹脂」という便利な素材が入手できます。
各色に着色された透明な液体状で、型枠などに入れて紫外線を照射すると「硬化」して、オリジナルのアクセサリーなどを作れます。
型枠も紫外線を通す半透明な物が売られています。
しかし、市販の型枠以外の形状を作ろうとすると、「オリジナルの型枠」を自分で用意する必要が有ります。
UV樹脂の場合は、紫外線を通す透明な型枠が必要で、自作は工夫が必要です。
前の記事のように、DAISOで入手可能な「おゆまる」の透明を使うと、いろいろな形の型枠が作れます。
⇒ DAISOのグルーガンでおゆまるを使う方法!
しかし「おゆまる」を使った型枠には、1つだけ問題が有りました。
というのも、UV樹脂は紫外線で硬化する際に熱を発します。手で触って熱いくらいで、「おゆまる」の型枠だと柔らかくなって形状が変化してしまうのです。
(数回なら使えるかな)
ネットの専門店などで注型用の透明なシリコン樹脂も売ってますが、量が多くて高価だし、扱いも面倒。固まるまでも長時間かかります。
そこで、ホームセンターで簡単に入手できる「シリコンコーキング剤」のクリヤー(透明)で型枠を作ってみました。これ、300gほど入ってて、300円程度で買えます。
開けたら基本的に使い切りの製品ですが、以下の方法で残りを数ヶ月程度は保存可能です。
⇒ シリコンコーキングの保存方法 そのⅢ
以下、コーキング剤を使ったUV樹脂の型枠の作り方です。
※重要! 湿気を通す素材を使う!
一般に売られている市販のシリコンコーキング剤は、空気中の水分と反応して硬化します。
そのため、空気に触れていない箇所は硬化が遅くなります。
表面が固まるのに4時間程度。そこから、だんだんと内側へ硬化が進んでいきます。
なので、今回は型枠を作るための型枠に、紙の筒を使いました。
▲左:紙の筒にシリコンを注入。 / 右:型枠を作るためのシリコンに原型を投入。
最初に紙の表面に離型剤(ワックスや撥水スプレーでも可)を塗って乾かし、丸めて紙テープで止めたら、コーキング材を内部に注入。 その後、離型処理したドングリの原型をゆっくりと回しながら沈めて行きます。
だいたい12時間程度でシリコンの大部分が硬化。 今回うっかり下側にプラ版を使ってしまったので底が固まらず、途中で剥がして別なボール紙の上で硬化させてます。
シリコン型枠による、樹脂の硬化不良の問題!
24時間後、シリコン型枠が固まったので、さっそくUV樹脂を流し込んで紫外線を照射。
が、内部は固まったものの、型枠と接するどんぐり表面がベタベタヌルヌルして硬化不良になってしまいました。
やっぱり‥。
実は僕が工作でよく使うFRP樹脂も、シリコン相手だと同じように硬化不良を起こしてたんです。
⇒ 「レジン」の代用に! 不飽和ポリエステル樹脂の まとめ。
どうやらシリコン表面から揮発成分が出ている模様‥。
もしくは軟化剤のせいか、いくら紫外線を当てても、UV樹脂の表面が硬化しないのです。
樹脂をシンナーに浸けてヌルヌルを拭き取れば使えますが、これでは型枠の精密さを写し取る事はできません。 困った‥。
シリコンの揮発成分を焼いて飛ばす!?
悩みましたが、ふとオーブンで焼いてみることにしました。
もし揮発成分が硬化不良の原因なら、焼けば飛ばせるんじゃ?。
というのも、シリコンの耐熱性は200℃程度はあって、かなり熱に強い素材なんです。
(2stバイク・レーサーのエンジンや排気管の取り付け部分に液状シリコンのガスケットを使うことが有ります。)
今回はキッチンのオーブンレンジを使用。180℃で10分ほど焼いてみました。
ちな、よく焼けるように、回転部分を持ち上げて熱源に近づけています。
⇒ 100円で、オーブンの火力を大幅アップ ↑
※注! 室内で薬品を揮発させたりシンナーを使う場合、小鳥やペットは必ず避難させましょう!
焼いた後でシリコンの型枠は、すこし黄ばみましたが、柔らかさとかは特に問題ありません。
さっそく、UV樹脂を流し込んで、紫外線で硬化。
ちゃんと表面がカサカサのまま硬化できる事が判りました!
▲左:オリジナルのシリコン型枠と、UV樹脂。 / 右:焼いても柔らかさを保ったシリコン。ひねると簡単に離型可能。
‥ちな、何個かまだ表面がベタつく物が有りました。
これは焼きが不十分なのか、寝かす時間が足りないのか肉厚の問題か、よく判りません。 どうもシリコンが固まって時間が経ってから焼いた方が成功しやすく感じられました。 ( どなたか追試をお願いします )
結論!
数個のレベルで型枠を作るのでしたら「 おゆまる 」が簡単でベストです。
⇒ DAISOのグルーガンでおゆまるを使う方法!
しかし大量生産で時間が十分にある場合、安いシリコンコーキング剤を使うのも有りかも。
なんせシリコンコーキング剤は簡単に入手できて安いですからね。
もったいながらず大量に使えて、いろいろ実験できるって、工作向きの素材だと思います。
以上、ご参考まで。
というわけで成功したオリジナルのシリコン型枠作り。
完成したLEDどんぐりが、こちら。
⇒ 光るLEDどんぐりで、クリスマスリースを作ってみた!
2017 ドングリが光るクリスマスリース完成!#LEDどんぐり pic.twitter.com/CB0BTT3Jcy
— 作る人 (@IGU58) 2017年12月5日
本文にも書きましたが、初めて何かを作ると、いろいろ考えて悩んで思い付いて‥、オリジナルのノウハウが生まれていきます。
これって、すごく面白いし、工作をしていく上で大切な事だと思います。
Posted by IGU at 21:38│Comments(1)
│加工方法
この記事へのコメント
はぇ~(!!⊙д⊙)凄い。凄すぎますよ!
研究熱心ですね。
研究熱心ですね。
Posted by ブクロ at 2018年01月20日 09:49
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